Quad ESL63 Pro (2)

昨日に引き続きESLの話。このスピーカー、普通のスピーカーと違って故障のリスクが高いことは昨日も書いたが、実はすでに三日目にして気になることが起きた。。。一本のスピーカーからヒューという、まるで空気が抜けるような音がし始めたのである。音楽は普通に鳴っていたが、心配だったので早速、ショップにメール。小一時間で返信があり、「おそらく部屋の湿度の関係で放電している音なので大丈夫。」とのこと。ああ、良かった。念のためエアコンを除湿にしてみるとなるほどしばらくしてその音は消えた。大事には至らなかったものの、不安である。

「ESL63」で検索してみるとけっこうたくさんヒットするのだが、相当の割合で「故障」や「修理」の話である。皆さん苦労しているようだ。それでもこのスピーカーには持ち主を惹き付けて止まない魅力があるらしい。アメリカのStereophile.comでまとまったレビュー記事が読めるが、83年の初出記事から89年まで複数のReviewerがこのスピーカーについて語っている。一つのスピーカーについてこれだけ多くのReviewerが繰り返し記事を寄せているスピーカーは他に例を見ないのではないだろうか。

ESL63 Stereophile

「ESL63Pro」で検索しても日本語しかヒットしないのでてっきりこのモデルは日本仕様かと思ったら上記記事によるとアメリカでは「ESL63 US Monitor」と呼ばれているようだ。フィリップスの要請でスタジオ仕様に改良された「ESL63」をUSのディーラが輸入したものだが、当時ドル安でオリジナルの「ESL63」を値上げせざるを得ない状況だったことが背景にあるらしい。なるほどモデルチェンジすれば値上げしやすい。記事からは、この値上げに耐えられるマーケットでのみ「Pro」仕様が販売される予定と示唆されているが、実際はどうだったんだろう。(ちなみに、そうした背景はともかくとして、レビュー記事によれば、耐久性はもちろん、音の面でも「Pro」ないし「US Monitor」はオリジナルより優れていると結論づけられている。)

さて、昨日から肝心の音についてちょっとは気の利いたことを書こうと思って四苦八苦しているのだが、相変わらず文才に乏しいのでどうもうまく説明できない。はなはだ断片的だが今のところ感じていることをいくつか書くと、まず振動板が圧倒的に軽い上にストロークがごく短いおかげで音が軽々と出てくる。半面、低音はどうしても軽くなるが、ここはサブウーファーをごく控えめに使うことで補える。

位相がビシッと揃っている結果、奥行方向の情報がとっても正確。基本的に良いことなのだが、結果として録音ソースには敏感。マルチマイク録音やミキシングで必要以上にステレオ感や遠近感を強調した録音の場合、楽器が必要以上に前後左右に離れて聞こえて違和感が残る。さらにスピーカーケーブルによっては位相が微妙にずれるのか気持ち悪い。

もう一つ、不思議なことに、スピーカーを変えてからCDを聴く頻度が大幅に上がった。もしかしたら「不気味の谷」を越えたのだろうか?
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また凄いものを!

チョッとご無沙汰している間にドエライ機器を導入なさったんですね!

これの初代機は少年時代にとっても欲しくって、「いつかはQUADに!」なんて夢見てたんですが、これも夢のままに終わりました。コンデンサー型で持ってるのはSTAXのヘッドフォンだけです。
あの当時も、日本は湿度が高いんでこのタイプは構造上使いにくい…なんていわれてましたが、英国だって日本に劣らず湿度は高いですよね。でも、お話をうかがってますと、デリケートなことは事実みたいですね。あと、ちょっと怖くはないですか?相当な高電圧が使われてると思いますし…。
だけど、イイなぁ…。ホント、欲しかったんですよね。細長ーい部屋を用意して、その2/3くらいの所にこれを置いて、あの…何って言いましたっけ?QUADの真空管アンプで室内楽のレコードを…なぁ~んて夢を見てました。

こんばんは。

のす爺ィさま、こんばんは。コメントありがとうございました。

そうなんです。僕の部屋には不相応なブツを導入してしまいました。導入したのは80年代に登場したESL63ですが、今回、気持ちに火をつけたのは初代機の方です。とあるショップで中古を目撃しまして、残念ながら音は聞けなかったのですが頭の中で寸法の計算始めてました。ただ、モノラルユースも想定していた初代機は横幅がとにかく長くて、二つ横につなげでもしないと部屋に入らない。。ということで縦長の63にしました。オークションで購入したのでほとんど賭けでしたが、実機を目の前にして非常に満足しています。

電極は触れない位置なので感電は大丈夫だと思います。たぶん。。故障の方は何とも言えない感じです。古い上に普通のスピーカーと違って電気製品なので。湿度の点では、購入元の方のアドバイスによれば一番故障につながりやすいのは冬の結露だそうです。英国と日本の環境を比べると日本の方がオーディオ製品が寒い中に放置されていることが多いとのこと。確かに僕の部屋も冬の朝は気を付けないとです。

「夢のままに終わりました」なんて仰らず、今からでも遅くないですよ(笑)あれだけのプレーヤーをお持ちになられていることを考えると僕の部屋よりずっと良い環境に設置できそうです。ちなみに私の個体はSPUの上級モデル一つより安かったです。

なるほど、結露ですか…

早速にご返事いただき、恐縮です。

確かに結露に関しては英国より日本の方が用心しなければならないのかもしれませんね。が、ずいぶん安く入手なさったんですね。私は相場も知りませんが、おそらくこの手の物には相場なんて無いんじゃないでしょうか。いや、それにしてもイイものを導入なさった…。振動板に事実上、質量が無い、ってだけでトランジェントの素晴らしさが目に…いや、耳に浮かびます。

私は、ですけど、経済力といい、家の条件といい、無理なものと達観してます。これは別に音響機器だけじゃなく、人生すべてにわたって、やっぱり無理なものは無理。人にはそれぞれに限界ってもんがありますんで、夢は夢として置いときます。
優しいお言葉を有り難うございました。
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