マーラー交響曲第1番 : ゲルギエフ

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僕にとってゲルギエフはどうも得体の知れない指揮者だ。いつ頃からか彗星のように現れてあっという間にスターになったが、これまで「これは!」と思った演奏にあまり当たったことがない。まだそれほど注目される前に録音した「くるみ割り人形」はなかなか良かったような気がするのだが、評価が高かった「春の祭典」は個人的にはイマイチ。しかし、最近、飛行機の中で聴いたブラームスの2番はすごく良かった。ということで、この人の演奏は当たるも八卦当たらぬも八卦だ。

このマーラー交響曲全集は半年以上前に購入したのだが、ちょうどその頃からアナログばかり聞くようになったのでようやく昨日開封した。10枚組SACDが4,000円台という破格の値段。ネット上の評価も割れていてなかなか興味深い。ひとまず番号順に聞くことにした。

聴き始めてまずは録音レベルが低いことにびっくり。SACD層で聞いているのでレベルがそもそも多少低めになっているとはいえ、相当ヴォリュームを上げないと音が小さい。出力小さめのMCカートリッジで聞いている時と同じかそれ以上にヴォリュームを上げてようやく落ち着くくらいのレベルの低さだが、最後まで聞くとその理由もわかる。

第一楽章は一見、奇を衒ったところのないごくオーソドックスな演奏だが、クレッシェンドするときは必ず加速し、静かな部分はかなりじっくりとしたテンポを取る。上下左右に音を散らさない自然な録音だが、ホールのせいかエコーが少なく、切れが良いとも言えるし、ブツブツ切れ気味とも言える。ティンパニと大太鼓は容赦なくぶっ叩く感じ。

第二楽章、速いところは速く、ゆっくりなところはかなりゆっくりとメリハリがついた演奏。ホールの残響がやはり気になる。このホールでゆっくりたっぷり演奏するのはけっこう大変そうだ。

第三楽章の最初のコントラバスはたぶん独奏でないと思う。あえてたどたどしい感じの演奏がほとんどなのでずいぶん印象が違う。ここのテンポも速め。全体的にすっきりと洗練された感じだが、これはこれで悪くない。

ここまで、ずっとヴォリュームをもう少し上げようかどうかと思っていたのだが。終楽章が始まると最初のティンパニ・大太鼓ドカーンでびっくり、目が覚める。ヴォリュームを上げるどころか絞らないと聴いていられない。ここまで来て、大太鼓とティンパニが明確に聴き分けられる実に鮮明な録音であったことが判明。防音設備完備の方にはお薦めだが、ここに照準を合わせたような録音レベルは普通の家では厳しい。それにしても、ここまで打楽器優位の演奏は初めて聞く。楽章全体通じて表情豊かな良い演奏だが、一番印象に残るのはどうしても太鼓という感じだ。

結論。ゲルギエフという指揮者はやっぱりよく分からない。
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ゲルギエフ

ばけぺんさん、こんばんは
ゲルギエフ、二度ほど生でも聴きましたが、私の中で評価が定まらない指揮者でもあります(笑) マーラー指揮者というイメージはないですよね。LSOとはプロコフィエフなどは評判もいいようですね。いずれも未聴なので挑戦したくなりました。

こんばんは。

sankichi1689さん、こんばんは。コメントありがとうございました。

おー、さすが、ゲルギエフの実演もお聴きになられているんですね。これだけ引っ張りだこなのですから実演はなかなかのものなのだろうと推察します。

この人のマーラーは何とも掴みどころがなくて、基本のテンポはショルティやドホナーニみたいに快速で、「巨人」はところどころ小沢さんの若い頃の演奏みたいな抒情性も感じるのですが、突然マゼールばりにテンポが遅くなったりするところもあったりして。こう書くと思い入れたっぷりみたいですが、そういう感じは全くしません(笑)変幻自在です。一度お試しください。
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