IKEDA 9CIII

香港出張も無事に終わり、昨日帰国した。日本に帰ってきただけでも嬉しいのだが、今回は小さな荷物が届いているのでなお嬉しい。お目当ての荷物はなぜかミズノの靴の空き箱に入って届いていた。オーディオショップからの荷物なのに。。早速、箱を開けると大量のプチプチに守られてケースが入っている。古いものなのでスウェードの外装はかなりくたびれている。ケースを開けるとIKEDAの9CIIIカートリッジがシェルに取り付けられた状態で収まっていた。

一昨年の暮にアナログを始めてからいろいろ調べるうちにIKEDAのカートリッジにはカンチレバーがないことを知った。取扱いが難しく、きちんと調整しないと音が歪んだり盤面が汚れているとまともに音が出ないといった記事もいくつか読んだ。でも音は良いと言う。ずっと欲しかったがなかなか出物がなく、ついに先週末、9CIIIというモデルを発見した。詳しくは知らないが、最もベーシックなモデルだと思う。でも、そんなことはどうでも良い。

購入した個体はモデルネームも消えていてかなりの使用感がある。が、幸いなことに針は十分残っていた。早速、Rigid Floatに装着する。IKEDAのシェルと組み合わされた9CIIIは総重量が36gと非常に重い。SPUより重い上に針圧は半分以下なので錘は今までで一番後ろ側の設定になる。真横から見るとカートリッジ下面から針先だけが付き出ているように見える。クリアランスは極小である。よっぽど高さ合わせを慎重にする必要があると思いつつ、面倒くさいので適当に装着してみた(笑)。とにもかくにも聞いてみなくては。

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ご覧のとおり、盤面とカートリッジの隙間は針先だけで支えているように見える。厳密に言うとアームはほんの少し前屈みだが、カートリッジ単体を眺めた時の印象に反し、盤面の管理さえできれば演奏中にお腹を擦るようなことはない。レコードに載せてみるとわかるが、非常に精巧に造形されている。

めちゃくちゃ調整が面倒かと思っていたのだが、あっけないほどすんなりきちんとした音が出た。完全に調整した音を100としていくつくらいの状況なのか見当がつかないが、今までのカートリッジにはない軽やかで透明な音がする。その総重量から想像する音とだいぶ印象が違う。クラシックを聴くと低音は意外なほど少な目だ。その代わり弦楽器や木管の音はしなやかで伸びやか。心配した歪みはほとんど感じないし、トレースノイズも少ない。ダイナミックバランスのアームじゃないとまともにならないという記事を読んだ記憶もあるのだが、スタティックバランスのRigid Floatでも何の問題もない。

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憧れていたカートリッジなので依怙贔屓も多少あるかもしれないが、久しぶりにこれだ!というカートリッジに出会うことができた。
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No title

こんにちは。
IKEDAのカートリッジは使い方が難しく普通に使用したのではエネルギーが高域に寄ってしまい低域のエネルギー感が少な目に聴こえてしまいます。

通常のシェルでは首にガタつきがあり、これが原因で低域の量感が少なく聴こえる場合が多いと思います。ガタつきのないインテグレーテッドアームかフィデリックス社の密着シェルをお勧めします。使いこなせればビクター社のMC-L1000にも匹敵する素晴らしいカートリッジだと思います。

空芯カートリッジは低域の質感が軽くて鈍さが無くなり、磁性コア入りカートリッジは使えなくなります。

No title

ばけぺんさん 出張お帰りなさい。

いやーぁ IKEDAのカートリッジですか。
また 素晴らしものを手に入れられましたね。

カートリッジの理想をこのIKEDA#9に求める方も多くいるようで名機?名製品だと思います。必要悪?のカンチレバーを無くしダンパーの質量を極力軽減させる事が理想のカートリッジの条件で その条件にあう現在のカートリッジはIKEDAぐらいでしょうか。

milonさん、こんばんは。

こんばんは。コメントありがとうございました。

実はmilonさんのブログを拝見してLeggieroが発売になったことを知り、今年に入って購入しました。僕のブログに立ち寄っていただいて嬉しい限りです。

なるほど高域寄りに感じたのはカートリッジ(シェル)がしっかりアームと一体化していない可能性大ですね。現在Shelterのカートリッジを装着しているSeries IVからは非常にしっかりとした低音が聴き取れるのでIKEDAをそちらに装着するか、Fidelixさんにシェルごと送付して2ピン化してもらおうかな。

今回、9Cを聴いて初めて空芯カートリッジの良さを実感しました。Fidelixさんのブログやmilonさんの仰っていることの一端がわかったような気がします。

キタサン、こんばんは。

こんばんは。コメントありがとうございました。

無事に帰ってまいりました。いつもながら日本は最高ですね。

そうなんです!IKEDAのカートリッジ、長らく欲しかったものをようやく手に入れることができました。使いこなしはまだまだながら、聞いてみてさらに感激しております。

初めてカンチレバーレスの記事を読んだときは「どういうこと?」って感じでした。正直、長い間、カンチレバーが針だと思っていたくらいなので(笑)。そのIKEDAも現行モデルは普通のカンチレバー付きカートリッジになってしまったようで残念です。長期間、大切に使いたいと思います。

これは使ったことない・・・

カンチレバーがない、っていうのは昔から聞いて知ってたんですが、実物を見たことはないんです。ネットで写真を捜しましたが、構造がよく見えるように写ってるのは見つけられませんでした。針先は垂直に立ってる一種のカンチレバーの先端に取り付けられてるんでしょうか? で、それをワイヤーか何かで後方から引っ張ってるとか・・・。もしそうだったら、DECCA とよく似た位置決めの方法だと思うんですが…。DECCA の場合は、針先の動きそのものは通常と同じ円弧状と言いますか、要するに、カートリッジ本体内部の外からは見えない所に運動の支点があって、だからトラッキング・アングルは普通に 15°なんですけど、イケダは違うんでしょうかね…。

詳細不明です・・・

こんばんは。こちらにもコメントありがとうございました。

カンチレバーがないことと、チップが後方からワイヤで引っ張られていることは目視で確認できます。それ以上のことは私の知識不足で正直、よくわかりません。。。すいません。

写真を撮ろうと思ったのですが、残念ながらコンデジではにっちもさっちもいかなかったです。僕のカートリッジとは違いますが、このリンクが参考になるかもしれません。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~zenchu/newpage56.html

出てくる音はかなりご機嫌です。なんというか実に爽やかな音なんです。

カンチレバー・レスのを・・・

ご無沙汰してます。拙ブログでやはりカンチレバーのないカートリッジ、DECCA C4E のおしゃべりを始めました。よろしかったらまたご訪問ください。
ばけぺん様のイケダの音が「実に爽やか」だとのことですので、なんとなく私の DECCA に似てるような気がしまして、あるいはカンチレバーのないメカニズムに共通する特徴なのかも・・・なんて思ったりしてます。イケダの良さが特によく分かるような楽器とか、いろいろお聴きになってみての印象とかの情報がありましたら教えていただけると嬉しいです。

入れ違いでお邪魔してました!

こんばんは。まさに今、のす爺ィさまのブログを拝見していてコメントを残してきたところでした!

私は技術的なところはわかりませんが、同じようにカンチレバーがないカートリッジが類似の音ということになると構造と出てくる音の間に何か関連があるんだと思います。

こういう爽やかな音というのは空芯型カートリッジの特徴という記事を読んだこともあります。この点、DECCAはどんな構造なんでしょうか?

アナログは奥が深くて楽しいですね!

拙ブログへのコメント、

・・・まことに有り難うございます。

空芯コイルの特徴云々については私も聞いたことがあります。鉄芯による色付けが…とか言われると、いかにもそんな気分になりますよね。ただ、他の条件をそろえた上で両者の比較をすることができないだけに、なんか胡散臭いような気もして、個人的には効率優先で鉄芯ありの方がイイような気がしないでもないです。もっとも、ネオジム磁石のある今なら、空芯でも十分な出力電圧が得られるのかもしれません。なにせ最近の機器に疎いもんですから、その辺、よく分かりませんが…。

DECCA の発電方式につきましてはこれから拙ブログでおしゃべりして行こうと思ってますが、あれはコイルの芯云々以前に、そもそもMC型じゃありません。磁石もコイルも両方とも固定されてまして、振動系に付いてる鉄片でもって磁界を掻き回すことによって発電するバリレラ型っていうタイプになります。ですので、磁石もコイルもサイズや重量の制限がキツくない、あの時代としては巧妙なやり方だったと思います。

新作カートリッジ4アイテムできました

いつもご愛用ありがとうございます。 この度、新作MCを製作しました。

当店トップページに掲載中です。ぜひ御覧くださいませ。

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