マーラー交響曲第9番 : ショルティ

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ショルティ/シカゴ響によるマーラーの交響曲全集のことはだいぶ前に記事にしたことがあるが、その中でショルティの9番は新旧ともあまり好ましくないと書いた。新録に初めて触れた大学生時代以来、実際、長らくそう思っていた。僕が最初に購入した全集はLPだったので9番の旧録はレコードで聞いたが、新録は初めて聞いた時からCDである。83年の録音なので当然初出はLPのはずだが、価格の問題でなかなか手が届かなかった。ということで、この演奏をLPで聴くのは30年目にしてこれが初めて。

と書き出したのは、LPで聴いてみて演奏の印象がガラッと変わったので。最初にCDで聞いた時、いまいち旧録に馴染めなかった僕は新録に大きな期待を抱いていたのだが、聴いてみた感想は旧録のちょっと異様な緊張感がすっかり薄れてしまって弛んだつまらない演奏というもの。以来、何度も聴いているのだがそのたびに不満が残っていた。

翻って、このLPから聞こえてくるのはスケールの大きな大人の演奏である。相変わらず金管楽器のパワーは凄いのだが、それ以上にしなやかで整った弦楽器が印象的。細かくグループ化された弦楽器群が複雑に内声部を支えているのが手に取るようにわかる。一貫として緩やかなテンポで音楽は進行するが、今回は緩いと感じることは皆無で落ち着いた流れが心地良い。

CD化の際に何かをいじったのだろうか?それともこの演奏もまた自分が年を取ったことで感じ方が変わったのだろうか。いずれにしてもとても良い演奏に触れることができた。いまさらLPを購入して大正解の一枚だった。
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