レコードとCDを聴き比べて思うこと。

以前、テクニクスでSL-1200シリーズの製造に携わっていた方のインタビュー記事を紹介したことがあったが、その中で「アナログディスクは左右の分離が不十分であるために聴いていて心地良い。」旨の話があった。レコードとCDの比較となるとダイナミックレンジやSN比の比較になることが多いが、むしろこの左右のセパレーションの違いの方が聴感上より影響が多いと僕は思う。

だいぶ前にマランツのアンプを開発されている方の記事を読んだ時もアナログに比較してデジタルはクロストークが圧倒的に少ないことが語られていた。その方曰く、したがってデジタル時代、特に今のハイレゾ時代には左右の分離が重要だと。(たしかそんなことだったと思う。)

左右の分離が良いということは、それを重ね合わせてソースが本来持っているはずのステレオイメージを完璧に形成するためには二本のスピーカーの配置を厳密にする必要があると思料する。それがうまく行かない時には真ん中がぽっかり抜けてしまったり、あるいはソースプレーヤーやその他の機器に起因してスピーカーに音が張り付いてしまったりすると分離が良いだけになんとも間抜けな音になりそうである。

高音域にクロストークが多いレコードの場合、もともとの分離が悪い分、ある程度緩いセッティングでもそれなりの音が出てきそうな気がする。現に我が家では今までそうだった。Apogee導入後、マニュアルに沿ってそれなりに配置に心を配ったらCDもだいぶ気持ち良く鳴るようになってきたが。。

とはいえ、実際にこの二つのメディアを比較する場合、曲の性格や録音状態、それにLPとCDの製造上のクオリティの差の方が圧倒的に差が大きいと思う。

個人的にはクラシックの大曲を聴く場合にはCDの方が結果が良いことが多い。他方、ジャズはかなりのケースでLPの方が聴いていて楽しい。が、これも原則論で例外はたくさんある。マスタリングの違いでまったく違って聴こえる演奏も結構あるし、偏心したLPは偏心したCDよりも性質が悪い。

まあ、どっちにしても顕微鏡レベルの細い溝や、実際どうなっているのかよくわからない小さな円盤にこれだけの音が入っているのだから、考えてみればすごいことである。どんどんメディアが進化して、今や実にいろいろなものが楽しめるのだから、ありがたいことではないか。
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ステレオアンプも音作りの一環でクロストークを意識的にいじる事例があるようですね。

インコさん、こんにちは。

こんにちは。コメントありがとうございました。

> ステレオアンプも音作りの一環でクロストークを意識的にいじる事例があるようですね。
なるほど、クロストークを徹底的に排除するマランツのような行き方もあれば、その逆に積極的に活用して音作りをする製品もあるんですね。個人的には、後者の方向は作り手に確固たる音のイメージがないと迷路に入り込みそうだと感じます。
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