ストラヴィンスキー「春の祭典」 : メータ

メータ春祭

メータの「春の祭典」と言えば30代前半に録音したロスアンジェルスフィルとの演奏がずっと有名でNYPとの再録はすっかり影が薄い。メータの場合、この曲に限らずLAPOとの録音は名盤でくNYPとの録音は凡演という評価が多い。

僕の場合、クラシックを聴き始めた頃にはメータはNYPの音楽監督だったので、この曲を含め最初にNYPとの演奏を聴いて、だいぶ経ってからLAPOとの旧録を聴くというケースがほとんどである。だから、比較するとNYPとの演奏の方にずっと親しみが沸く。

個人的バイアスも多分にあると思うが、この演奏なんて大変優れた演奏だと思う。確かに30代前半の若さや怖いもの知らずの勢いは薄れているかもしれないが、演奏全体の完成度はNYP時代の方が高いと思うし、DECCAのキラキラした録音よりもCBSの落ち着いた録音の方が良い。久しぶりにLPを入手してみて以前よりも一層そう感じた。歳を取ったかなあ。

この「春の祭典」は78年録音なのでNYPの音楽監督になったばかりの頃の録音。メータ40代中頃の録音になるが、ジャケット写真を見ると実に精悍な表情である。当時、ニューヨークフィルの定期では特にご婦人の人気がすごかったと聞いたことがあるが、なるほどエキゾチックで納得。

肝心の演奏について一言だけ書くと盤石で余裕の表情。60年代のメータの演奏は「いっちょ驚かしたるか」というものでだからこそ大きな話題になったと思うが、NYPとの演奏からはそういう変な気合は一切感じない。この変化はメータが成熟しただけではなく、新旧録音の間の10年で「春の祭典」が現代音楽から普通のクラシック曲になったことの証だと思う。
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ナクソスで聴いて見ました。

ばけぺんさん、こんばんは。

私がこの曲に期待する異次元空間へと誘われるような雰囲気はやや薄いですが、やはりメータは大編成ものが巧いですねぇ~。大所帯をまとめ上げ、建造物を創りあげて行く術は超一流だと思います。
録音がとても分離度が高くクリアな音質、こんなにもフレーズが明瞭に聴こえるとホント気持ちいいです。特にバスドラムの音が素晴らしく良いですね~。^_^

こんばんは。

akifuyu102さん、こんばんは。コメントありがとうございました。

メータ/NYPの演奏は良くも悪くも明快にすっきりとまとめちゃっているので原始的な儀式の再現というイメージではないですね。そういう感じだとどれが良いかなあと思ってナクソスライブラリーを覗いてみたらすごい数の春の祭典が収録されていてびっくりしました!これ、全部聴いたらイメージに合う演奏、きっとあると思います(笑)。

自分で聞いたことのある中ではアバド、ムーティの演奏はどちらも素晴らしいです。聞いたことはないのですが、ロジェストヴェンスキーとかロシアの指揮者の演奏も面白そうですね。いろいろと聴いて感想を教えてください!
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