トーレンス TD-124

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先日、アナログシステムはいったん完成宣言したのだが、今度はトーレンスのTD124を導入してしまった。思えば同じトーレンスのTD321を導入したのがアナログにのめり込んだ大きな転機だったが、その頃から手頃な個体があればいつか手に入れてみたいと思っていたのがこのTD-124。しかし、このプレーヤーが発売されたのは自分が生まれる前のこと。生まれた頃にはすでにディスコンになっていたという古い機種なので程度の良い個体で安いものはなかなか無い。それが先日、たまにチェックしていた某ショップのサイトでSME3009S2付きの個体を発見。価格も比較的安い。ショップによれば機能的に問題はなく1年間保証も付くという。ならばということで買ってしまった(笑)。

送金してから一週間後にプレーヤーが届いた。早速、箱から出してみる。自分が入手したのは124の中でも古い方の機種でシリアルは1万番台。モノラルとステレオの切り替わりの時代の製品なのでどちらかと言うとモノラル音源を聴く方が適しているようだ。インナープラッターは鉄製でかなり重い。自分が聴くのはほとんどステレオ音源なので本当はMark2の方が良かったが望み通りの中古が出てくることなんて滅多にない。特徴的な深緑色の鉄製プラッターはMCカートリッジだと磁力の影響を受けるという話だったので有名サイトで薦められているM44-7を付けることにした。

数あるトーンアームの中でもSME、特に3009S2とその後のImprovedは僕の中ではThe Tonearmという位置づけ。ずっと欲しかったが、人気があるし価格も上がってしまっているので今まで入手できなかった。TD124に加えてこのアームが手に入ったのはとても嬉しい。実物は写真で見る以上に見目麗しい。しかし、触ってみると思っていたよりも遥かに華奢で繊細だった。特徴的なウェイトは前後のバランスを取るメインウェイトと針圧をかけるライダーウェイトの組み合わせになっているのだが、前後のバランスもライダーウェイトとメインウェイトの間隔調整(ラテラルバランス調整)もヘックスレンチで行わければならない。事前に仕組みは知っていたが実際調整してみるとこれは複雑。だいたいこのくらいかなというところまでは簡単だが、そこからピントをぴったり合わせるのが実に難しい。このアームを使われている方々はここのあたりどうやって上手に調整しているのだろうか。

四苦八苦してM44-7を取り付けたのだが、音を出してみると問題発生。ボリュームを上げると容赦なく「ビー」という音がする。音から判断するに電源からノイズを拾っているっぽい。アームからのアースはすでにターンテーブルのグラウンドとフォノイコに落ちていたので、追加してターンテーブルからフォノイコまでアースを落としたり、両方外したりいろいろ試してみたのだが完全には無くならなかった。かなりボリュームを上げない限り実害はないレベルまでは行ったがどうも精神的に良くない。ということで、あっさりMMカートリッジは諦めて、TD124にはネイキッドのSPUを付けることにした。

トランスを間に入れてみるとノイズは綺麗に無くなったので、SPUでバランス取りの四苦八苦を繰り返す。エラスティックカップリングラバーが劣化しているのか仕様か判然としないが、ライダーウェイトは自重で少々捻じれて止まる。その時のライダーウェイトの高さはメインウェイトと並行が正しいのかカートリッジと同じ高さが良いのか不明である。詳しい方ぜひ教えてください。

アイドラードライブを使うのは初めてだがターンテーブル本体は思った以上に静か。立ち上がりも速いしストロボマークもきちんと止まる。写真では気づかなかったのだがメインスイッチのつまみに回転微調整のためのボリュームがついている仕掛けにはちょっと感動した。モーターが調子良いのにはホッとしたものの、回転中、横から見るとレコードが波打っている。観察するとレコードの問題ではなくアウタープラッターがうねっている。アウタープラッターを外して代わりに金属系のターンテーブルシートを載せて回転させてみるとまったくうねらないので、どうやらアウタープラッターが微妙に歪んでいるようだ。ならばと思って試しにその状態でレコードを聴いてみたが、見事に音楽がつまらなくなる。アウタープラッター込みで音が造られているのだから当然だが、その差は予想よりも遥かに大きい。

まだ聴き始めたばかりなので音を語るには早過ぎるが、TD124+SME3009S2+SPUの組み合わせはジャンルを問わず音楽を楽しく聴かせてくれる。響きが豊かで弱音時でも音が揺れない。何より聴いていて心地良い。なるほど良いターンテーブルだと思った。
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おめでとうございます

ばけぺんさん 遅いレスですいません。

TD124購入されたのですね。おめでとうございます。

書かれている文面をみてウンウン納得する事が幾つかありました(笑)

ラテラルバランスの調整は納入していただいた業者さんが行ってくれましたが
その後 アームを変えた時は適当に?行いました。その辺は余り神経質に行わなくてもよろしいかと思います。

M44-7で電源の唸りがあるのは少し残念ですね。電源やトランスとの位置関係なのでしょうか?

私の所でも横から見るとレコードが波打つって見えます(笑) これはおっしゃるようにアウタープラッターの歪みかと思います。そしてこれを替えると全くつまらない音になってしまうのには同意です、不思議ですね。

ステレオ録音ものを聴くにはマーク2の方がベターかもしれませんね。
私は面倒くさいので今はマーク2でステレオとモノラル両方を聴く事が多いのですが古い音源だけではなく比較的新しい音源でも素晴らしい再生をしてくれます。

ありがとうございます!

キタサン、こんにちは。コメントありがとうございました。

すいません、この記事、先週下書きして公開になっていなかったので昨晩公開したんですが、日付が下書き時点になっていたようです。遅いレスではありません!

ついに買ってしまいましたTD124。キタサンの記事を読みながら長らく涎を垂らしていたのです(笑)。

> ラテラルバランスの調整は納入していただいた業者さんが行ってくれましたが
> その後 アームを変えた時は適当に?行いました。その辺は余り神経質に行わなくてもよろしいかと思います。
ラテラルバランス調整、しんどいですねぇ。神経質に行こうと思ったのですが、最後はまあこんなもんかな(笑)と。とりあえずは良い感じで鳴っているので良しとします。

電源ノイズはターンテーブルからアースを取ると一番減るのでそのあたりに問題があるようですがよくわかりません。MCカートリッジを使うとまったく大丈夫なのでまずはSPUで楽しんでみます。

トーレンスのプレーヤーはインナープラッターとアウタープラッターの二重構造に音の良さの源がありそうですね。プラッターの外側にベルトをかけるモデルよりも響きが良いです。あんまり響くと悪影響もあるでしょうからそのあたりのバランスが秘密なんでしょうね。

> ステレオ録音ものを聴くにはマーク2の方がベターかもしれませんね。
うーん、これ以上買物するわけには。。。置く場所もありませんし。

ちょっとご無沙汰してましたが

・・・その間にまた凄い買い物をなさってたんですね!
一方、SME のこの旧型 SII は私も持ってるんですが、今は使ってません。たいへん音の良いアームだと思いますけど、確かに調整がメンドイですね。
ゼロ・バランスはメイン・ウェイトが分割式になってるヤツだとかなり楽になります。これですと、針圧付加&ラテラル・バランス用のウェイトのステーはリアのウェイトにだけ固定されますんで、それには触れることなしにフロント・ウェイトを前後させてゼロ・バランスをとることができます。おススメです。
このステーは、おっしゃるように水平になるように固定するのも結構厄介ですよね。ラバーが撓んで回転しちゃいますからね。ラテラル・バランスをとるとそれによっても撓み具合がかわりますしね。私は大体のところでガマンしちゃいますけど、あれの角度によってアーム全体の重心の高さが変わってきますよね。だからレコードの反りに対する動きも変わってくるはずで、たぶん設計者の意図としてはステーが水平になることを前提にしてたと思うんですが、まァ、極端な設定にしない限り問題が生じることはないでしょうね。
それにしても、旧い製品から最新モデルまで幅広く試されますね。経済力も精神力も大したもんです!

のす爺ィさん、こんばんは。

ご無沙汰しております。コメントありがとうございました。昨日今日と外出しておりまして返信遅れてしまいました。

TD124、ついに購入してしまいました。正直、これ以上プレーヤー持っていても仕方ないのではと自問自答繰り返したのですが、どうしても一度使ってみたかったんです。使ってみると予想以上の結果で満足しております。

3009S2もいつかは手にしてみたいと思っていました。S2はその後のRモデルよりも音が良いと言う話をあちこちのサイトで目にしましたが、ライダーウェイトが垂れないようにパイプにガイドレールが施してあったりとRモデルは痒い所に手が届く改良がなされていることがわかりました。

> ゼロ・バランスはメイン・ウェイトが分割式になってるヤツだとかなり楽になります。これですと、針圧付加&ラテラル・バランス用のウェイトのステーはリアのウェイトにだけ固定されますんで、それには触れることなしにフロント・ウェイトを前後させてゼロ・バランスをとることができます。おススメです。

メイン・ウェイト分割式というと初期のモデルでしょうか?ウェブサイトをなんとなく眺めている限り、まだ販売されているのを見たことがないです。

> だからレコードの反りに対する動きも変わってくるはずで、たぶん設計者の意図としてはステーが水平になることを前提にしてたと思うんですが、まァ、極端な設定にしない限り問題が生じることはないでしょうね。

なるほど!そういうことですか。確かにRモデルもメインウェイトとライダーウェイトは並行に見えますね。早速、できるだけ並行に近づけてみます。

> それにしても、旧い製品から最新モデルまで幅広く試されますね。経済力も精神力も大したもんです!

いやはや本当に散財しております。ここまでの紆余曲折を全部省略できれば結構なハイエンドシステムが買えたかもしれませんね(笑)。ただ、実際に試してみなければわからなかったこともたくさんあったので回り道も悪くはないかなと思ってます。幅広く試すといえば聞こえは良いですが、あちこちさまよっているだけかも。でもお言葉はありがたく受け止めます。

高級機を一台だけよりも…

私もまったく同意見です。ハイエンド機を一台だけ…なんていうよりも、安物(とは言っても実際の値段はその人その人の経済力次第ですけど…)を何台も使う方がゼッタイ楽しい!

ところで、SME SII のウェイト分割モデルというのは、私もあんまり意識してなかったんですが、言われてこういうサイトを見ましたところ、http://www.analogue-classics.com/html/sme_3009___3012.html
確かに SII モデルの中でも旧型に属するタイプのようです。だけど、これは改悪というか、コスト・ダウンのための仕様変更と思われますね。私の念頭にありましたのは、上のサイトの写真説明の7番と8番のウェイトの組み合わせのことです。

以前、確か初めて拙ブログへのコメントを下さったときの頁、
http://blogs.yahoo.co.jp/giovanni_xxiv/54459023.html
の3枚目の写真の中央あたりに転がってるのがそれです。eBay とかで簡単に見つかるかと思ってちょっと行ってみたんですが、見当たらないですね、確かに…。

まァ、分割式でなくても別に困ることはありませんし、あのアームはたとえここが分割式であっても使い勝手が良くないことに変わりはありませんわね。ユニバーサル・アームと言っても、それは多種多様なカートリッジに対応するという意味であって、それらを取っかえ引っかえするということは念頭に置いてない設計ですね。

詳しい情報ありがとうございます!

のす爺ィさん、こんばんは。またまた参考になるコメントいただきありがとうございます。

http://www.analogue-classics.com/html/sme_3009___3012.html
↑ このサイト、シンプルにまとめてあってわかりやすいですね。写真もあるので実によくわかりました。確かに分割式ウェイトから一体型ウェイトへの変更は改良とは思えないです。分割式の時にはSPU用の追加ウェイトもあったことからすると組み合わせを想定するカートリッジがこの頃から変化し始めたのでしょうか。

> 以前、確か初めて拙ブログへのコメントを下さったときの頁、
> http://blogs.yahoo.co.jp/giovanni_xxiv/54459023.html
> の3枚目の写真の中央あたりに転がってるのがそれです。eBay とかで簡単に見つかるかと思ってちょっと行ってみたんですが、見当たらないですね、確かに…。

ほんとだ。当時はSeries IIIのことしか頭になかったのでまったく気づきませんでした。それにしても振り返ってみれば、僕がアナログの楽しみを見つけることができたのも、あの時ののす爺ィさんのアドバイスのおかげです。本当に感謝しております。

> ユニバーサル・アームと言っても、それは多種多様なカートリッジに対応するという意味であって、それらを取っかえ引っかえするということは念頭に置いてない設計ですね。

仰るとおりだと思います。S2はカートリッジをこれと決めたらそのまま使うことが前提の設計ですね。それにしても調整はしづらいですが、やっぱり格好いいアームですね。
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