マーラー交響曲第7番「夜の歌」 : テンシュテット

133.jpg

テンシュテットのマーラー交響曲全集がリアルタイムで進行していた頃はちょうどマーラーの録音が雨後の筍のように出てきたところだったせいか、一枚一枚の録音はそれほど大きな話題にならなかったような気がする。アバドの録音が出るたびに絶賛されていたのは良く記憶しているが、テンシュテットが80年代初頭に録音した7番、2番、4番と言ったところは個人的にほとんど記憶がない。

前にも書いたが、この指揮者にはムラがあるのかEMIの録音が悪いのか、はたまたやはり病気の影響があるのかどれが理由かわからないが、どうもこれまで良いイメージを持っていなかった。

それが先日、レコードでテンシュテットの「イタリア」とシューマンの交響曲第4番を聴いたところ存外に素晴らしい演奏だった。バルビローリのマーラーを聴いた時にもそうだったが、年を取るにつれて音楽の好みも変わるみたいだ。それに若い頃聴いた演奏の印象がその時のオーディオ機器や視聴環境で影響されているのも否定できない。これはテンシュテットも再度良く聴いてみなくては。

と思って手に入れたのがテンシュテットのマーラー交響曲全集。70年代から始まるオリジナルのスタジオ録音に加えて5番~7番まで晩年のライブ録音まで入って16枚組で3,000円しない。ちょっと上品な鰻重くらいの値段である。だんだん物の価値がわからなくなってくるなあ。

はてさて、何から聴こうかと思って取り上げたのは「夜の歌」。そういえば、この曲、最近、まったく聴いたことがなかった。テンシュテットの「夜の歌」はこのボックスにも含まれている93年のライブ録音が素晴らしいらしい。でも、まずはスタジオ録音の方を聴いてみた。

ショルティやレヴァインでこの曲に親しんだ僕からすると、この人は縦の線をあんまり気にしない指揮者だなあと思う。なんと言うかどこを取ってもピシッ!パシッ!とせずに、ドロドロずるずるという感じで音楽が進んでいく。全体的に暗めの夜である。霞んで見通しが悪い。でも、思ったよりずっと良いなあ。うん、悪くない、この演奏。たまには月の出ていない夜も良い。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

テンシュテットさんがまだ亡くなる前に、実演に接することのできるチャンスがあったのにもかかわらず叶わなかったのは、かえすがえすも残念なことでした。マーラー5番が演目にありました。
 マーラーの曲では、3,6,7番が好きなので、この7番には興味がわきます。ましてや、指揮がテンシュテットさんなのですから。

バルビさん、こんばんは。

こんばんは。コメントありがとうございました。

それは惜しいコンサートでしたね!この人の実演でマーラーの5番ならきっと素晴らしい演奏だったと思います。

私はマーラーの中では9番がダントツに好きで、7番は久しぶりに聴きました。このボックスセットはこれだけの演奏がたっぷり聴けるのですから本当にお買い得です。
プロフィール

ばけぺん

Author:ばけぺん

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
Since 3/28/2013
検索フォーム
リンク