ラヴェル「ダフニスとクロエ」全曲 : アンセルメ

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クラシックを聞き始めたばかりの頃、レコードショップにはアンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団のレコードがたくさん並んでいたのだが、なぜかあんまり積極的に聴きたいとは思わなかった。デッカに膨大なレパートリーを残し、「バレエ音楽の神様」とか「オーケストラの魔術師」とか呼ばれていたが、優秀録音という化粧を纏った軽めの指揮者というイメージを持っていた。亡くなる少し前に初来日した時の評判があんまり芳しくなかったからかもしれない。

今までこの人のレコードはサン・サーンスの「オルガン付き」しか持ってなかった。このレコードは発売当時大ベストセラーになったそうだ。確かに押さえるところを押さえた手堅い演奏だとは思ったが、正直、ものすごく感心はしなかった。むしろ超優秀録音ということで買った割にはあまり感動しなかったという残念な気持ちの方が強い。

にもかかわらず、今回「ダフニスとクロエ」を購入したのは新譜でLPがリイシューされていたからという単純な理由である。これも当時デッカ録音の素晴らしさで売っていたと思うが、今となってはかなり古めかしさを感じる。録音そのものは鮮明なので、各楽器の音を正面からクローズアップしたようなマルチ録音が古臭いのかも。

ただし、演奏は思ったよりずっと素晴らしいものだった。テンポは総じてゆっくり。丁寧な演出で表現はとても濃い。この演奏を聴いていると若い頃にストラヴィンスキーやディアギレフに見出された指揮者であることも納得である。日の出からフィナーレまで合唱も含めてとっても聴き応えがある。満足できる一枚だった。
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