真空管アンプ探しのその1

ApogeeのStageを導入してからもうすぐ1年。幸い、これまで壊れそうな兆候はなく、これならしばらくは安心して楽しめそうである。プロダクトサイクルの比較的短いソース機器と違ってスピーカーは本来じっくりと長期間使うものだと思うので何よりだ。Apogeeを買った時にショップには「アンプを選ぶ」と言われた。確かにネットで調べるとKrellとか大型のGoldmundみたいな大出力モノラルアンプを使っている記事が多い。Apogeeの中で最小モデルとは言え、万一アンプが故障して結果的にスピーカーを壊したりしたら困るので、Apogee購入に合わせてPass LabのAleph 0sを買った。このアンプ、出力は40Wと大きくないがA級アンプで力はある。インピーダンスも2Ωまで保証されている。実際、Aleph 0sでの駆動はなんの問題もなく、また、決してブーミーではないがガリガリの筋肉質でもない柔らかな音は音楽を楽しむにはとても好ましいものだった。

このままAlephでも良かったのだが、NmodeからX-PM7、次いでX-PM100が発売された時に自宅試聴させてもらったところ、Alephとは毛色の違うクールでタイトな低域がそれはそれでなかなか魅力的だった。とは言え、Alephを全面的に圧倒するようなこともなかったので結局、買い替えるまでには至らなかった。むしろNmodeを聴いて気付いたのは、実はStageは言うほどアンプ食いではないということだった。たぶん、ある程度電源のしっかりしたアンプなら普通に鳴らせる。

前置きが長くなってしまったが、このことがわかって以来、俄然、興味が沸いたのが真空管アンプである。

真空管アンプは以前、同じNmodeのV-LA1を短期間所有していたのだが、アンプをセパレート化する過程で手放してしまった。その時点ではセパレートアンプ化によるアップグレードに夢中だったが、一通り試した後に思い出してみるとV-LA1は魅力的なアンプだった。正直、上も下もそれほど伸びてないし、解像感もほどほど。中低音はふっくらとしていて切れ味は1ビットアンプと比べるまでもない。でも、音楽を聴いててなんとも心地良いのである。1ビットアンプの専門家であるNmodeの設計者の方が突然この真空管アンプを販売したのも理解できる。真空管アンプでも鳴らせるかもしれないとわかったので、X-PM100を試聴した昨年の夏以来、ずっと真空管アンプを探していた。

最初はMcIntoshやMarantzといった往年の名器やLuxman、Uesugiといった国産の雄が欲しいと思って探したのだが、評判の良い古い機種はやたら高い上にコンディションに不安が残るし、その後生産されたレプリカや後継機種はおおむね過去の名声に比べて評判がよろしくない。だいたい、真空管アンプでも大丈夫という仮説を検証しようにも中古品を自宅試聴する機会は限られてしまう。ならば現行品と思って調べてみると中国産以外はお値段が張るものが多い。かなり前に聴いたOctaveなんて見た目もすごく魅力的だが100万円コースだし。EARも結構高い。V12なんてデザインもネーミングも車好きにはたまらないんだけど。。AH!が手に入りずらくなって、頑張ればなんとかなりそうなのはRogersかUnison Researchくらいである。

そうこうするうちに運良くUnion ResearchのP40を試聴することができた。アンプの前面にムラノガラスを使ったデザインが印象に残るアンプである。以前オーディオ雑誌の賞を取った時に記事を読んで記憶に残っている。丸っこい可愛いデザインで大きさを想像しずらいが、実機は意外なほど大きく、それ以上に25kgと重い。トランスがある後ろ半分が特に重い。苦労してセッティングして使ってみるとPPで40WのP40は予想通りStageを何ら問題なく駆動することができた。しかし、このアンプは全く違うところで大問題な点があって、導入するには至らなかった。なぜならば、我が家ではこのアンプ、尋常ではないレベルでトランスが鳴くのである。耳を近づけると小さく「うーうー」言っているアンプは他にもあるが、「ジイイイイ」というまるで油蝉のような音が2m離れた視聴位置でも聴こえてくる。クラシック音楽なんてとても聞けないレベル。こりゃ、ダメだ。そう言えばV-LA1も小さく唸っていたし、もしかして真空管アンプって多かれ少なかれみんなトランスが鳴くのかも。。。

この一件以来、アンプ探しはほぼ白紙に戻ったのだが、それでもなんとなく諦めきれず調べていたところ、ようやく最近になって、これは良いかもというアンプを見つけることができた。
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No title

その2が楽しみです。

少々お待ちください。。。

キタサン、こんばんは。コメントありがとうございました。

すいません、昨日は長文化してここで力尽きました。そして今日は続きを書くのをはなから諦めて別のことを書いちゃいました。時間のある時に続編お届けします!

古い管球アンプは・・・

・・・やっぱ素人には手が出し辛い感じですよね。私もアナログ現役時代にはダイナコの管球アンプを使ってて、すごく満足してましたが、今また使おうという気にはなれないです。寿命とか発熱の問題とか、使いにくさがある上に、自分でいじるだけの知識・技術がないと、どうしても不安が付きまとう。トランスのうなりについては、これまた拙ブログへのコメントで有り難い忠告をいただきまして、今は全然気にならなくなりました。トロイダル・トランスがうなりやすいようなことをどこかで読んだ記憶がありますが、おっしゃってるモデルもそうだったんでしょうか?
昔のアンプではあまりこういう問題は聞かなかったような気がしますが、スピーカーから出るハム音がなかなか取れなかったですね。ダイナコのアンプでも常にブーンっていう音がしてました。

Re: こちらにもありがとうございます。

そうですね。古い真空管アンプってすごいロマンを感じたのですが、いざとなったらアンプを抱えて修理に行ける腕の立つショップでも近くにないとちょっと心配になってしまいました。のす爺ィさん、ダイナコお使いだったんですね。ダイナコは結構中古で見かけて値段もめちゃめちゃ高くはなかったので、もう少しで手を伸ばしそうになってました。でも、バイアス調整すらどこをどうするかわからないような状況では不安で結局諦めました。

トランスの唸り、今回、僕が使ったP40はちょっと普通じゃなかったと思います。大きなトランス積んでましたが、重さでフレームが歪んでましたのでたぶん設計上問題があるのではないかと。。。それにしてもショップに戻したらさほど大きな音ではなかったようなので、うちの電源にも問題があるんだと思います。

昔と比較すると今の電源環境は家電品やパソコン由来のノイズでずいぶん汚れているんじゃないでしょうか?それに我が家の場合には電圧もあまり高くないので近隣の環境も良くないのかもしれません。ハムは幸い今まで経験したことがなくてわからないのですが、比較して違いがあるんでしょうか?能率の高いスピーカーを真空管アンプで鳴らしていた頃は目立ったというのはあるかもしれないですね。
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