マーラー交響曲第1番 : ラトル

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真空管アンプの話を書き始めたら予想外に長くなって結構夜遅くなったので昨日は尻切れトンボで終わってしまった。で、今日はその続きとも思ったのだが、また長々と書いてしまいそうなので、アンプの話は時間に余裕のある時に。

サイモン・ラトルがバーミンガム市響の首席指揮者になったのが1980年。ラトルは55年生まれだから首席指揮者になった時は若干25歳。それが10年もしないうちに録音を通じて無名の地方オーケストラを世界的に有名にしたのだから、大したものだと思う。最近、ラトルとバーミンガム市響の録音をまとめたボックスセットが発売されたので早速入手したのだが、マーラーは5番と9番が欠けるだけであとは全部録音している。9番がVPOと録音され、その後、BPOとのライブも発売されたのでもっと多くの曲がBPOやVPOで録音されているような気がしていたが思い違いだった。結局、全集としては3つのオーケストラの組合せで発売されているが、そもそも特に全集を意識して録音したわけではなさそうである。

そういうわけでこのボックスセットには番号付き7曲+「大地の歌」という8曲が収められている。このコンビの最初のマーラーである「復活」が86年、「巨人」は音楽監督就任間もない91年に録音されている。今やBPOの音楽監督というクラシック界の頂点に立つ有名人だけにラトルも最近毀誉褒貶相半ばな感があるが、僕はこの人の演奏は何を聴いても面白い、さすがだなと思う。ラトルはバーミンガム市響時代が一番良かったという人がいるが、若さゆえの輝かしさに目を奪われすぎではなかろうか。ラトルが5番をようやく録音したのは「復活」の録音から15年も後のことだ。他の指揮者の全集であれば5番はどちらかと言うと早期に録音する方の曲目だろう。僕はその辺りにこの人の楽曲探求の深さと誠実さを感じる。その上、今や機能的に数段上のオーケストラを手にしているのだから、鬼に金棒である。

いつもながらアルバム自体の感想が最後で短くて恐縮なのだが、この「巨人」、やはり青年指揮者とともに成長するオーケストラの勢いを存分に感じるしなやかでいて熱い演奏である。もちろん若さに任せていたずらに暴走することはなく、どの楽章においてもゆるやかなところ、静かなところはとても美しいし、それでいてここ一番では瞬発力、爆発力を見せてくれる。特に終楽章は多彩な表現で聴き応えがある。良い演奏だ。録音レベルが低いので音量をいつもより上げる必要がある。
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