ベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」: ライナー

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フリッツ・ライナーがRCAに残した録音をまとめたボックスセットを手に入れたのはもう2年半も前になるが、入手直後に何枚か聞いただけでその後はいつの間にかお蔵入り。ストッカーの中の居場所が悪くて棚から出すこともなかった。今朝、久しぶりに箱を開けてみて目に留まった「合唱付き」を聴いた。

ライナー/シカゴ響と言うと、僕はすごく直線的な演奏をイメージしてしまうのだが、実際に聴いてみるとそんなこともない。きびきびとした早めのテンポを基本とすることは間違いないが、第1楽章なんて途中でちょっと驚くほど減速しながらぐぅっと深掘りするような部分がある。全体にティンパニが強めでリズムを縁取りするのも印象的だ。

第2楽章はイメージに違わぬ整然としたオケの妙技が聴けるが、むしろさらに好印象なのは第3楽章。とても清らかで透明感の高い演奏である。この人はマーラーの4番でもそうだったが、サラッとした中で情感に富んだ可憐な演奏もできるのだ。終楽章は整理整頓が行き届いた完成度の高い演奏。好みで言えばより大きなドラマが欲しいが、立派な演奏であることに間違いない。

ボックスセットのジャケット写真でライナーは火のついたタバコを手にしている。いまどき、まずありえない構図である。昔は当たり前だったが、いつの間にか時代は変わったなぁ。
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