ブルックナー交響曲第5番 : ヨッフム

ヨッフムの交響曲演奏をまとめたEMIのボックスセットを購入した。ベートーベン、ブラームス、ブルックナーの3B交響曲全集+αの20枚組みで4,000円。しつこいようだがいささか安すぎると思う。

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ヨッフムのブルックナーはどの曲も定番といえるが、演奏自体は相当癖がある。模範的とか標準的という演奏ではないと思う。

テンポはかなり動くし、金管も打楽器もはっきり鮮やかに演奏されることが多い。フルトベングラーのようにワウフラッターと勘違いしかねないほど常にテンポが流動するわけではないが、それにしてもクレッシェンドとともにテンポが上がる演奏は最近主流と思われるインテンポを基本とした演奏スタイルとはかなり違う。

しかし、ヨッフムの場合、このテンポの動かし方がまったくあざとく聞こえないのがいい。むしろ必然と思わせるような自然なテンポの揺らぎだ。安心して身をゆだねていることができる。

以前、ヨッフムとシュターツカペレ・ドレスデンの演奏は交響曲第8番のCDを持っていたのだが、これがなぜか最悪の録音だった。まず何かの間違いかというくらい録音レベルが低く、音量を上げても細部がよく聞き取れない。演奏を楽しむ以前の問題で、70年代以降の録音としては本当に信じられないような出来だった。

今回、ボックスセットを購入する時もそれが心配だったのだが、少なくともこの第5番については杞憂だった。やはり以前所有していた版に何か重大なミスがあったとしか思えない。

この第5番の演奏でもヨッフムのテンポはかなり動く。そして金管と打楽器はどちらかといえば派手に活躍する方だ。とはいえ、この曲を完全に掌中に収めた千両役者の名演奏であることは間違いない。ヴァント、朝比奈と並び保守本流の中でもやはり外すことのできない演奏だと思う。

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