ブルックナー交響曲第9番 : ショルティ

ブルックナーの交響曲第8番のことを書いたとき、サンクトペテルブルグでのライブ録音と全集に含まれている録音が別のものではないかと書いたが、間違いであった。ショルティが残した全集に含まれている第8番は現時点で国内盤がユニバーサルから発売されているロシアでのライブ録音と同一の演奏である。

実はショルティのブルックナーを少しずつ揃えようと思ったものの分売が入手困難で思い切って全集を買ってしまった。ライナーノーツを確認したところ、間違いに気づいた次第。

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HMVやタワーレコードでも購入できるが意外と高い。アマゾンマーケットプレイスで輸入盤を購入。10枚組で4200円なので分売を求めるよりも結局安い。

ショルティのブルックナーでとにかくお薦めなのは第6番と第9番だ。とはいえ5番、6番、8番、9番以外は聴いたことがないのだが。

第6番は別にいつか書こうと思うが、ちょっと異質な演奏かもしれない。色物とは言わないが、歌舞伎で大見得を切っているような感じがある。ショルティのことだからそんな演出をしようと思ったわけではないだろうが、曲の性格とあいまってすごい演奏効果なのだ。この演奏が好きなら他の演奏はすべて物足りないと思う。僕はそうだ。

一方、第9番の方はもっとオーソドックスにすごい演奏だ。もちろんシカゴ響の合奏能力も文句のつけようがない。相変わらずトゥッティでは金管のボリュームがすさまじいが、それを支える弦楽器の美しさも特筆ものである。

テンポは少し早めだがメロディは十分歌われていてせかせかした印象はない。第6番と違って第9番ではティンパニが非常に控えめなのが面白い。ショルティの解釈の違いもあるかもしれないが、第6番はメディナテンプル、第9番はオーケストラホールと録音場所が違うことに加え、第6番はウイルキンソンとジェームズ・ロックがエンジニアという点も違うので、こっちの影響も大きいのかもしれない。

ブルックナー開始から最後のコーダまで見事にインテンポな第一楽章、オーケストラの技術全開の第二楽章、美しく厳しい第三楽章とすべて名演。

この曲が好きな人なら一度は聴いて損はないと思う。
ただし、指揮者の情熱や意気込みが目に見える(耳に聞こえる)形の演奏が好みの方には合わないかもしれない。

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