Onkyo D-TK10

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Kiso Acousticsの試聴以来、気になっていたOnkyo D-TK10だが、方々声をかけていたところ、短期間、レンタルできることとなった。展示品だがあまり使われていないらしく、外観はピカピカである。

HB-1を見た時もそう思ったが、実物はとても小さくて可愛らしい。高峰製のエンクロージャーはとても品が良いのに、オンキョーのユニットは見た目がおもちゃみたいで安っぽい(と個人的には思う。)ので損をしている感じ。

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試聴したHB-1にはアコースティックリバイブのRSS501をベースにしたスタンドが付属していて、スピーカーとスタンド天板の間はシリコンみたいな緩衝材を挟んで、がっちりとして鳴かないスタンドとの間を遮断していた。エンクロージャーを積極的に活用するスピーカーなのでそれがスタンドに伝わらないようにという考えだろう。

我が家にはがっちりとしたスタンドも振動吸収系の柔らかい挟みものもないので、小型スピーカー用ベースをウェルフロートの上に置いてその上にスピーカーを置くことにした。振動を抑えずに速やかに逃がしてスピーカーに戻さないという意図である。(目論見どおり機能しているかは定かでないが。。)

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借りられる期間が短いのでとにもかくにも音楽を聴いてみる。聴いたのはHB-1を試聴した時にもショップでかけてもらったオーマンディ/フィラデルフィア管によるショスタコの4番。レコードである。

HB-1でこの曲を聴いた時には目を閉じたらあんな小さいスピーカーが鳴っているとは到底思えないような空間一杯を満たす音に驚いたし、10㎝ウーファーってこんなに低音出るのかと驚嘆したのだが、見た目は似ていてもそこはやはり別物。中心に金色のイコライザーを持つリングトゥイーターが受け持つ高音はピークになると少々耳に痛いし、フルオケの強音時には解像力が足りないのか見通しが悪くなってしまう。10分の1の価格で同じ再生を期待するのはそもそも間違っているのだが、ちょっと残念。

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な~んちゃって。

いかにも違いのわかる男のようなことを書いたが、全部嘘である。本当の感想を書こう。

HB-1がそうであったように、D-TK10も目を閉じて聴いたら、あるいはスピーカーがいくつか並んでいたら、音からその姿形を想像してD-TK10が鳴っていると即答するのは難しい。少なくとも自分にはできないと思う。8畳程度の我が家の空間ではショスタコの4番も軽々と鳴らした。

次に以前、オーディオアクセサリー誌の付録についていたM・Aレコーディングズの宣材CDを聴いてみた。このCDの1曲目と9曲目はバッハの無伴奏チェロ組曲が収録されていて、なかなかの好録音なのである。チェロが胴鳴りしながら何度もかなり低い音を出すのだが、さすがに空気を伴うような重低音は出ないが、立派な再生音だ。ウーファーが小さい分、ボンついたりしないので小気味良い。

巷間、HB-1もD-TK10もアコースティック系はともかく、ロックやフュージョン、特に電気系は苦手と言う。どれどれということでこれも聴いてみる。まずクィーンを聴いて、そのあと、デイブ・リー・ロスやらツェッペリンやらプリンスやらといろいろ聴いてみたが、それほどロックフェチでない僕にはどれもこれも満足いくものだった。あえて言えばベースラインやドラムは少々エッジが丸く、例えばベースがリズムを刻む時の歯切れは満点とは言えないので、そこが気に入らない人はいるかもしれない。ただし、ボーカルは凄く良い。

次にハービー・ハンコックを聴いてみた。向かないとされる電気系で「ヘッド・ハンターズ」を聴くとロックと同じでベースラインの制動が少しだけ緩い。と言っても低音が凄くタイトなスピーカーと比較しての話である。この間聴いたGX100MAの方がタイトだったと思うが、Focus260と比較したら低音全体の量ははるかに抑制的でシャープに聴こえる。

と言うことで、短時間の視聴ではあるが、僕にとってD-TK10は十二分に満足できるスピーカーだと言うことがわかった。HB-1とどこがどう違うのか知りたいところだったが、同時にHB-1と聞き比べてないのでわからなかった。

D-TK10はなぜかフロントバッフルが傾斜していて普通にセッティングするとユニットは少々上を向く。HB-1は普通にバッフルが垂直なのでデザイン上はここが大きく違う。試しにスピーカー後方にJ1プロジェクトのインシュレーターを重ねて挟んでみたら、なんとなくこっちの方が良いような気がする。が、不安定なのでこのまま聴くわけにもいかない。なぜこういうデザインかわからないが、真剣にセッティングを詰めていくとすれば、初めにここをなんとかしたい。

HB-1はアンプを選ぶと思ったが、その点はD-TK10も同じようだ。箱を積極的に鳴らすスピーカーだけに、きっちりユニットを制御できないとただ賑やかで見通しの悪いスピーカーになりかねない。それに見た目小さいこのウーファーは意外と重そうである。良い音で鳴らすためには分不相応な物量投入型アンプか駆動力のあるデジタルアンプと組み合わせる必要がありそうだ。
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木質

ばけぺんさん こんばんは。

とても木質感のある素晴らしい筐体スピーカーですね。

サイズは小さいですが楽器と同じように規格外の大きさの音を出す力を秘めているような感じがします。

低能率のスピーカーなのでパワー、駆動力のあるアンプで鳴らすのが常套というのは購入される方の一致した意見だと思います。
私が使っているQUAD405のパワーアンプも小さいですが意外とパワフルで同じ低能率のMinimaをQUADで鳴らすようになってから世界が変わりました。

遊び心がある筐体の形といい 国産では珍しい音楽を楽しむ為のスピーカーのような気がします。

キタサン、こんにちは。

こんにちは。コメントありがとうございました。

キタサンの仰るとおりで国産の製品、特に大メーカーの製品としては非常にレアな趣味性の高いスピーカーです。

スペック上は80dbとかなりの低能率ですが、筐体が楽器のように響くせいか聴感上、そこまで能率が低いとは感じません。大出力は要らないと思うのですが、スピーカーを制動するのに力が要りそうな感じです。

少量生産と言うことなので、カタログ落ちする前に手に入れようかなと思う良いスピーカーでした。
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