ブルックナー交響曲第4番 : ショルティ

交響曲全集を買ったのでこれまでほぼ興味のなかったショルティの「ロマンティック」を聴いてみた。自分の中でショルティとこの曲がどうしてもうまく結びつかなかったのだ。

僕がブルックナーを聴き始めた頃、(おそらく)この曲がブルックナーの全交響曲中最もレコードの種類が多かったと思う。僕自身、最初に聴いた曲はこれであった。副題の「ロマンティック」が良かったのだろうか。しかし、どこかロマンティックなのかよくわからないし、これ以降聳え立つ大曲を考えるとこの曲が最も人気がある理由がよくわからない。

Wikipediaを読んでみると冒頭に「またブルックナーの作品としては演奏時間も長すぎないため人気がある。」とあった。なるほど…。そういうことだったのか(苦笑)。まあ、長い曲が嫌ならはなからブルックナーなんて聴かなければいいのにとも思う。

ここまで書いておわかりだと思うが、僕はこの曲があんまり好きでない。まあ、好きでなければ聴かなければいいのだが、やっぱりそこそこ人気があるもんだから、ついついたまたま名盤を聞き逃しているのではないか?と思っていろいろ聴いてしまうのだ。

一昔前、十年一昔というなら三昔前くらいだが、この曲の名盤はベーム/ウイーンフィルだったと思う。もちろんヨッフムやカラヤン、ケンペやクーベリックといったところもそこそこの評価を得ていたと思う。これらの演奏に共通しているのはこれらの指揮者が演奏する他の曲に比べて良くも悪くも特にこれといった特徴がないことだ。例えばカラヤンの演奏は一部の人が酷評するほどぜんぜん悪くないと思うのだが、とはいっても記憶しているのは第一楽章のバイオリンが一オクターブ高いことだけだったりする。

ブロムシュテットの最初の録音も話題になったが、この演奏も一言で言えば自然体であったと思う。日曜日の朝、コーヒーでも飲みながら目をつぶってジャケットの写真のような森と湖を想像してみるのに相応しい。いい意味で環境音楽みたいだ。

最近の演奏で一つだけ驚いたのはズヴェーデンの演奏。Extonのシリーズで聴いたロマンティックは他とはまったく違った。この人はバイオリンの人だということだが、確かに弦楽器への配慮がすごい。どんな強奏下でも弦楽の旋律が手に取るように聞こえる。録音もたいしたものだと思うが、金管はほとんどの場面でステージのはるか後方で演奏しているようだ。最初はかなり違和感を持ったが、最終楽章に来てほとほと感心した。金管がテーマを吹く間、オクターブを上から下まで行ったり来たりして支え続ける弦楽は感動ものだ。この演奏は必聴だと思う。

さてこれからようやくショルティの演奏の話だが、僕はショルティが大好きなのでバイアスがかかっていることは間違いないが、それにしてもこの演奏はズヴェーデンの演奏と双璧を為すと思う。あちらが「弦」ならこちらは「管」である。もちろん金管だ。

第一楽章ではじめて金管が主題を吹く時からもうその音量が違う。その上、金管の各セクションがそれぞれ遠慮なく主役を争うような状況である。ここまで金管が華々しいと弦楽器は音量的にどうしても不利だと思う。他のオーケストラだったら完全に埋もれてしまいそうだが、そこはシカゴ響、こういう状況に慣れているのか必要なときには弦楽セクションも激奏だ。なかなか激しいロマンティックである。

こう書くと騒々しいだけに思われてしまうかもしれないが、この演奏、いつものショルティの常でテンポがよく、また、構成力も確かなので、思わず引き込まれてしまうのだ。これを聴くと他の演奏がゆるく聞こえてしまう。これは良い演奏が見つかった。ヴァントや朝比奈の演奏のようないわゆる「崇高な精神性」とは無縁だが、偉大な芸術作品だと思います。


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