ブルックナー交響曲第8番 : ケンペ

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冨田勲さんの「ダフニスとクロエ」に続いて4チャンネル収録のブルックナー。どうやらこちらは「ダフニス」と違って本来はステレオ収録のものを後で4チャンネルに加工したものらしい。加工の行き過ぎでホールトーンが多すぎる感じ。ソ連ものの一部のように風呂場で聴いているようなひどさはないが、特に金管の立ち上がりがもたつく。そこまでするほど70年代には4チャンネルが流行っていたのであろうか?

そういう不利な面はあるものの、ケンペの指揮は冴えていて、当時の手兵であったトーンハレをぐいぐいとドライブしている。スタジオ録音だがライブ録音のような熱を感じる。録音の問題だけでなく、少々、演奏に瑕があるが、委細構わずグイッと一筆書きで仕上げたような、粗削りながら感動的な演奏だった。

全体的には抑え目のテンポでどっしりと構えているが、音楽の盛り上がりとともに徐々にスピードが上がる。これはR・シュトラウスでもベートーヴェンでも同じ。ケンペの常であるが、この人の良いのは決して節度を失わないところである。オケがついていけなくて破綻するようなことはなく、頂点以降はだいたいガクンとスピードを落としてたっぷりと情感豊かに演奏する。この緩急の変化がとても巧みだ。派手さはないが、素敵な演奏である。
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No title

 毎回、興味深い盤の紹介、ありがとうございます。ケンペさんは好きで、ブルックナーでは5番のLPをそれこそ何度も聴いたものです。でも、8番は聴いたことがありませんでした。記事を読ませていただくと、トーンハレとのこの演奏を俄然聴いてみたくなりました。
 8番。昨年のちょうど今頃、スクロヴァチェフスキさんが読響に客演し、この曲を豪快に演奏しました。とても90歳を越えての指揮とは思えませんでした。でもそのスクロヴァチェフスキさんも、この21日に亡くなったのですね。知りませんでした。とても残念です。
 ご冥福をお祈りします。

バルビさん、こんばんは。

こんばんは。コメントありがとうございます。

はい、僕もケンペのブルックナーと言えば5番で、LPを中古で購入以来、たびたび聴いています。8番は指揮者に関わらずレコードを聴くようになってからは聴く機会が減っていたのですが、このLPは思わぬ収穫でした。オケがミュンヘンではなくトーンハレと言うのは微妙ですが、演奏は良いです。

> そのスクロヴァチェフスキさんも、この21日に亡くなったのですね。知りませんでした。とても残念です。
> ご冥福をお祈りします。

このコメントをいただくまでスクロヴァチェフスキさんが亡くなったこと、知りませんでした…。大往生ですが、つい最近までご活躍だったので突然の感が否めません。それは残念ですねぇ。。。
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