チャイコフスキー 「くるみ割り人形」組曲 : アンセルメ

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そういえばアメリカ滞在中、中古市場で人気の高い日本製のレコードプレーヤーをオークションで見つけて入札したのだが、終了直前にアウトビッドされた。事前に考えていた金額以上だったので僕はあっさり手を引いた。ところが、もう、まさに落札寸前というところで出品者によってそのオークションは取り消されてしまった。

その段階で取消しが可能ということも知らなかったのだが、さらに驚いたことにはしばらくするとその時の2割増しくらいの価格を即決価格として同じプレーヤーが出品されたのである。厳密に言えば再出品時には違うカートリッジが装着されていたが。ルールが許している以上問題ないのかもしれないが、個人的には二度とこの出品者のオークションに手を出すことはない。今回、落札できなかったのは幸運であった。

閑話休題。昨日、帰宅が遅くなってしまったこともあり、今日は終日在宅勤務させてもらった。聞けば昨日までは陽気も良かったようだが、今日は朝から小雨で寒い。温かい飲み物をすすりながらレコードを物色していて見つけたのがアンセルメ/スイス・ロマンド管による「くるみ割り人形」組曲第1番と第2番。アンセルメ没後10年を記念して(?)発売された「アンセルメの芸術」という廉価盤シリーズの一枚である。

実はこれ、いつ買ったかはっきり覚えていない。アンセルメを買うようになったのはここ数年なので最近であることに間違いないが、おそらく何枚か同時に買ってきちんと聴かずにいたようだ。一度も聴かなかったことはないと思うが、記憶にない。

今日、再度、聴いてみると、最初に聴いた印象が薄いのもわからなくない。高校生時代から所有するドラティ/コンセルトヘボウの「くるみ割り人形」がリズミカルでエッジの立った演奏であるのに比べると、この演奏はずいぶんマイルドなのである。75年録音のドラティ盤はオーディオチェック用途に使われるような録音なのでその点でもエッジが立っている。対するにアンセルメ盤は59年録音と少々古い。デッカとフィリップスが入れ替わったような印象である。とにかくパッと聴いてグッと引き込まれるようなアルバムではないのだ。

しかし時間をかけて聴いていくとこれはなかなかに素敵な演奏であることがわかった。全体にふっくらと優雅である。すべての楽器が出ず引っ込まず、バランスが取れていて聴き心地が良い。節度があって最強音でも騒がしくない。なんと言うかとても安心して身を委ねられる演奏なのだ。さすが「音の画家」である。
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出張、お疲れさまでした。
明日はWBC準決勝。どうなるでしょうね。
オークション、正直なことを言えば苦手。出来る事なら手を出したくないですね。
手ひどい目にあったことはないのですが、あの、どこまで上がるんじゃい!とハラハラしながらポチるのは心臓に良くないです。オークションの延長もやめて欲しいです。
さて、アンセルメは録音の良しあしはありますが演奏は流石と思います。SROに50年以上君臨していたのは伊達じゃない。
即物的ななかにも歌心ある演奏が好きですね。ストラヴィンスキーとかラヴェルとか。

七味とうがらしさん、こんばんは。

こんばんは。コメントありがとうございました。

一週間もアメリカにいると体調悪くなります(笑)。普通に食事していると太ってしまうのでなんとかしてほしいです。

WBC、勝ってほしいですがそこは一発勝負ですからね。普段対面しない投手と打者なので必ずしも実力どおりにいかないですし。プエルトリコの応援はアメリカ以上でしたが、日本にとっては完全アウェーの状況で大変だと思います。

オークション、以前はけっこう頻繁に参加してましたが最近はめっきり減りました。幸いひどい売り手にあったことはないですが、クオリティコントロールがないので機械ものはリスク大きいですね。そうそう、昔は延長なしで終了間際のせめぎあいが面白かったのですが。。

アンセルメ、最近になって良さがわかりました。聴いたことのない録音がたくさんあるのでぼちぼち聴いていこうと思います。
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