バッハ ゴールドベルグ変奏曲 : グールド

ゴルドベルグモノ

グールドの「ゴールドベルグ変奏曲」を初めて聴いたのはいつ頃だったろうか。まだ高校生だったか、それとも大学に入るまで聴くチャンスがなかったか。はっきりと思い出せないが、初めて聴いたのが81年に録音されたステレオ録音だったことは間違いない。81年に26年ぶりの再録音が出た時はいろんな音楽雑誌に取り上げられて大きな話題になった。それまでこの曲のことを知らなかったが、新譜評を読んでどんな曲でどんな演奏なのかワクワクしたものである。

今と違ってサンプル音源をダウンロードするなんてことは想像さえできない時代なので、それから実際に聴けるまで数年要した。ようやく初めて聴いた時はアリアに続く第1変奏の躍動に度肝を抜かれたのを覚えている。それ以来、僕の中でゴールドベルグと言えば81年のステレオ盤であった。

55年録音のモノラル盤を聴いたのはそれからずいぶん時間が経ってからだ。CD時代でモノラル録音にはまったく触手が動かなかった。ある日どうしてこの演奏を聴くことになったかすら覚えていないが、聴いてすぐ、(知識はあったものの)アリアのテンポの速さには驚いた。

ステレオ盤がデジタル録音も相まってダイナミックレンジの広い鮮烈なイメージであるのと対照的にこのモノラル録音は少々くぐもった音がするが、モノラルのおかげでピアノの音像が大き過ぎず、あたかもステージ上のグールドを少し離れたところで聴いているような印象を受ける。これはこれで悪くない。

25変奏の例外を除いて再録音よりもずっとスピーディな演奏は天才の閃きがストレートに聴こえてくる。ぜんぜん違う演奏を二回録音した上、そのどちらもが決定版と言うのは他に例を知らない。名盤。
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No title

 インフルエンザに罹り、おまけに発疹ができてしまい、10日間寝込んでしまいました。年齢的にも、気をつけねばらならいと考えているこの頃です。どうぞ、風邪・インフルエンザ等にご注意ください。
 このグールドのモノラルLP「ゴールドベルグ変奏曲」。私にとっては、本当に懐かしく、大切な盤です。今から35年以上も前、風邪で寝込んで熱を出し、一週間ほど寝込んだことがありました。そのとき、毎日何度も繰り返し繰り返しかけていたのが、この盤です。この音楽が、なぜか唯一慰めになりました。

こんばんは。

バルビさん、でよろしかったでしょうか?お名前がなかったので、もし違いましたら申し訳ございません。

インフルエンザ、今年は僕の周りでも大勢が患っております。インフルエンザだけでも辛いところ発疹までとはさぞかし大変だったと思います。もうよろしいのでしょうか?ご自愛ください。

今、ステレオ盤のゴールドベルグ変奏曲を聴いているのですが、これを聴きながらコメントを拝読すると、なるほどモノラル盤の音はずっと穏やかで癒し効果に優れているような気がします。毎日繰り返し聴いても飽きない素晴らしい演奏ですね。
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