R・シュトラウス アルプス交響曲 : 朝比奈

朝比奈アルプス

もう10年くらい前だろうか、朝比奈隆さんのシカゴ響コンサートのドキュメンタリーを観た時、朝比奈さんを招聘したシカゴ響のマネージャーが、彼のアルプス交響曲を聴いてシカゴ響への招聘を思い立ったと語っていた。さっそくCDを探したのだが、晩年の大阪フィルとの録音は廃盤になってしまったのか手に入らなかった。その後しばらくは話自体を忘れていたのだが、一昨年、1964年にベルリン放送響と録音した演奏のCDが発売された。このCDは昨年どこかのタイミングで購入したのだが、CDそのものをあんまり聴かなくなってしまったタイミングに当たって聴かないままだった。今日、ようやく開封。

正直、このCDはあんまり期待していなかった。録音が64年と古いし、朝比奈さんにとってこれが初めてのアルプス交響曲だと言う。その後、この曲を得意にするようになったとはいえ、大器晩成型の朝比奈さんだし、録音時56歳となると80年代以降のスケールとは違っても仕方ない。

なんて不遜な気持ちを抱きつつ聴き始めたのだが、まったくの見当違いだった。個人的にR・シュトラウスの曲はことさら良い音で聴きたいのだが、この録音は低音の伸びと重さが足りないものの演奏を楽しむには何の問題もないレベル。大阪フィルとの演奏を聴いたことがないので比較できないが、ドイツ放送響とのスタジオ録音なので技術的にもばっちり。初めて振ったとは思えない落ち着き払った演奏である。これみよがしなところなく誠実な演奏が展開されるが、なんとも聴き応えがあった。

64年の録音だからこの曲のステレオ録音としては最も早い時期に当たるのではなかろうか。ケンペを皮切りに80年録音のカラヤンまで70年代には世界的有名指揮者の録音が目白押しであるが、この演奏は内容的にそうした高名な演奏に一歩も劣らないと思う。こんな演奏が立派な録音で残ってなんとも幸いなことである。
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こんばんは

朝比奈さんの60年代にこのような録音があったのですね。本場オケとの共演でさらに知見を得て、後年、得意レパートリーになっていったのかもしれないと勝手に想像していました。いやはや面白いCDのご紹介大変興味深かったです^^

sankichi1689さん、こんばんは。

こんばんは。コメントありがとうございました。

これが朝比奈さんが最初に振ったアルプス交響曲とのことです。R・シュトラウス生誕100年に合わせてのこととは言え、初めての日本人に振らせるとはベルリン放送響もなかなか大胆ですよね。良い演奏だし、CD二枚組なのにとても安いです。

朝比奈隆の偉大なる遺産

ばけぺんさん、こんにちは。
記事を読ませて頂き、大変興味を持ちまして、CDを購入し、今、聴き終えたところです。いやぁ~、実に良い演奏、素晴らしいです。特に最初と最後の「夜」がとても味わい深く感動しました。また、モーツァルトのピアノ協奏曲の方も清楚で素晴らしい雰囲気の演奏でこちらも大変気に入りました。いやぁ~実に貴重なCDです。ご紹介ありがとうございました。

akifuyu102さん、こんばんは。

こんばんは。コメントありがとうございました。

記事を読んでCDを購入されたとのこと、気に入っていただけてホッといたしました(笑)。

朝比奈さんの演奏はこの曲でも淡々と実直としたものですが、説得力が抜群ですね。当時どういう経緯でドイツにいてこの曲を振ることになったのかわかりませんが、良い録音が残って良かったですよね。

> また、モーツァルトのピアノ協奏曲の方も清楚で素晴らしい雰囲気の演奏でこちらも大変気に入りました。
いやぁ~実はモーツァルトまだ聴いていません(笑)。ありがとうございます。聴いてみます。
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