ブルックナー交響曲第6番 : エッシェンバッハ

独奏者として成功を収めた音楽家がキャリアの途中から指揮者としても活動することは珍しいことではない。そもそも指揮者になるような人はピアノだったりヴァイオリンだったり、何か得意な楽器があることが普通だろうし、有名になったのは指揮者としてであっても、もともとは独奏者として頭角を現した人は数多い。ショルティしかり、サヴァリッシュしかりだ。

当初は独奏者としてコンクール受賞歴があるような人がその後すぐに指揮者としてキャリアを積んで有名になった場合は以前のキャリアを問われることはないのに、最初に独奏者として有名になった人が指揮者になった場合には非常に評価が厳しいような気がする。バレンボイムしかり、アシュケナージしかりだ。どれだけ指揮者としての仕事の割合が増えていっても正当な評価を受けていないのではないか。気のせいだろうか。

クリストフ・エッシェンバッハもそうした指揮者の一人だと思う。これだけ指揮者としてのキャリアを積んでいるにもかかわらず、未だに彼はピアニストと認識している人が多いのではないだろうか。一時、北ドイツ放送交響楽団とパリ管とフィラデルフィア管という大オーケストラ3つを同時に率いたことすらあるのに。

エッシェンバッハは交響曲からオペラまで幅広いレパートリーを持っているが、その中でもブルックナーの交響曲第6番はよほどのお気に入りのようだ。3回も録音している。その中で最新の演奏がこれ。

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2009年にロンドンフィルと録音したもの。ライブとあるが、会場ノイズの類はほとんどない。

演奏は一言で言えば素晴らしいに尽きる。さすがに3回も録音するだけある。自信があるのだろう。テンポのとり方、メロディの歌わせ方が堂に入っている。

第一楽章はショルティみたいな麻薬的演奏ではないが、オーソドックスな演奏でありながら決めるべきところはきちっと決めるつぼを押さえた演奏である。聴いてて快感だ。第二楽章は一転してゆっくりとしたテンポで美しいメロディをじっくり歌っていく。第三楽章はまた一転して快調なテンポである。オーケストラも上手い。最終楽章はこの演奏の中ではもっとも個性的な演奏。間の取り方、テンポの崩し方にデフォルメされた部分が多く、好き嫌いが分かれそうだ。ライブだけにオケも完全に追従できていないかなと思う瞬間があるが、それを含めても立派な演奏である。

エッシェンバッハのブルックナー??と思っている人はぜひ一度お試しください。
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