ショスタコーヴィチ交響曲第8番 : インバル

ショスタコインバル8番

プレヴィンの演奏で聴き始めたショスタコーヴィチの交響曲第8番だが、この曲、自分にはなかなか取っつきにくく、聴いてて面白いと思えるまで結構時間がかかった。ムラヴィンスキー、ヤンソンス、キタエンコ、ショルティ、ロストロポーヴィチ、バルシャイ、カエターニと手元にあるCDをとっかえひっかえ聴いているうちにようやくこの薄暗い交響曲の良さがわかってきたような気がする。

5楽章構成の大曲のほぼ半分を占める劇的な第1楽章冒頭、ほとんどの演奏は低弦が非常にヒロイックに始まるが、インバル/ウィーン響の演奏はかなり抑えた表現で開始される。ほとんど抑鬱的と言っていい陰性の音楽が展開するが、短期間集中的に聴いた中ではむしろそれが極めて印象的だった。静かな始まりから音楽はどんどん大きく膨らんでいくが、頂点に達しても温度は上がらずひんやりしたままである。その後の木管の独奏の寂寥感がすごい。陰性のインバルの本領発揮である。

インバル/ウィーン響のショスタコーヴィチは個人的にどれもこれも名演だと思うが、同時にデノン/コロムビアの録音の優秀性も特筆すべきものだと思う。日本人のエンジニアが録音とマスタリングを担当しているが、直接音とホールトーンのバランスが素晴らしいし、大音量時にも耳に優しい非常に良い音で収録されている。旧ソ連時代の演奏がこの録音で残っていたら、印象もガラッと違うだろうなあ。名盤。
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No title

こんばんは。
インバルの8番は以前持っていたような?引っ越しの際、処分してしまったようです。
あの頃はどうにも地味に聴こえてしょうがなかったですが、今聴くとまた違うのかもしれません。
そういえば、デンオンのマーラー全集のプロデューサーだった川口義晴さんがちょっと前にお亡くなりになってました。
ショスタコのプロデューサーは川口さんでしょうか?
http://nailsweet.jugem.jp/?eid=1364#sequel
参考までに。

七味とうがらしさん、こんばんは。

こんばんは。コメントありがとうございます。

> インバルの8番は以前持っていたような?引っ越しの際、処分してしまったようです。
> あの頃はどうにも地味に聴こえてしょうがなかったですが、今聴くとまた違うのかもしれません。
おそらく今、聴かれても最初の印象は地味だと思います(笑)。冒頭が他の誰と比べてもとにかく地味です。すでにそこからインバルの計算なんだと思いますが。

> そういえば、デンオンのマーラー全集のプロデューサーだった川口義晴さんがちょっと前にお亡くなりになってました。
> ショスタコのプロデューサーは川口さんでしょうか?
なんと、そうだったんですか。それは残念なことですね。リンク先の記事も読ませていただきましたが、まさに日本発で世界に発信できる、世界で勝負できるアルバムを残されたと思います。期せずしてマーラー全集を買ったところでしたが、演奏もさることながらコロムビアの録音は非常に良いです。ショスタコにもエグゼクティブプロデューサーとして川口さんのお名前がクレジットされていますよ。
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