オーディオショップ

昨日、秋葉原の某オーディオショップに行った。僕は営業が仕事であるにもかかわらず人見知りなので量販店以外の買い物はすべて苦手なのだが、特にオーディオショップに入るのは相当勇気がいる。したがって買い物はほとんどネットショッピング。自宅に引き取りに来てもらうことはあっても自分でショップを訪れることはめったにない。以前、中古でスピーカーを買い、先日はKisoのスピーカーを試聴した店だけが今までほぼ唯一の例外だった。

この店のことは雑誌で知った。一応、店のウェブサイトもあるのだが、まったく更新されていない。扱う品物に興味はあるが、自分で足を運ばないといけないので今まで縁がなかった。ところが日曜日に店の間近の貸会議室で仕事があったので、帰りがけにちょっと寄ってみた。雑誌で見たことのある店主は一心不乱に何かを修理していて、その傍らに持ち主と思しき人が立っている。店に入ると顔を上げずに店主は「こんにちは」と言った。僕も「こんにちは」と返して、修理中を良いことに店中の品を物色して何も言わずに店を出た。

いつもならこれで終わりである。が、昨日も秋葉原で所用があった。こんなこと滅多にない。しかも次の予定まで時間がある。と言うことでまたそのお店に行った。前日、気になった品がいくつかあったのである。

到着するとショップにはお客が一人もいなかった。店に入ると昨日同様「こんにちは」と言う声。僕はやおらガラスケースの中のカートリッジの一つを指さして「これってどうですか?」と後から考えれば間抜けで要を得ない質問をした。

店主は特に戸惑うこともなく「ああ、それがほんとのオルトフォンの音。」と答えた。続けて「特定のトランスと組み合わせてオルトフォンの音だって言う人が多いけど、それはトランスの音だから。」このお店にも最近、このカートリッジはなかなか入荷しないらしい。確かにそれほど頻繁には見かけない。見かけたとしても結構高いのだが、このお店のものはずいぶん安い。輸入年代でピンキリのようだが、キリよりさらに安い値付けである。「ずいぶん安いけど、何か問題でもありますか?」と聞くと首を横に振りながら「もちろん問題ないよ。」と言う。

欲しいが、即決ともいかない。そもそもどんな音なのかもよくわからないし。。そういう様子が伝わったのか店主は「明日定休日だけど明後日までに念のためメンテナンスしておくから。買うなら教えて。」と言ってカートリッジをケースから取り出して店の奥に仕舞った。

客が僕しかいなかったせいか、店主は実に気さくで人懐こく、いろんな話をしてくれた。真空管アンプのこと、トランスのこと、スピーカーのこと、アナログのこと。結局、店じまいまでの1時間、話に付き合った。途中でフルレンジ一発のスピーカーを真空管アンプで鳴らしてくれたが、見事な空気感だった。こうして聴いてみると真空管アンプは録音会場の空気まで再現するような気がする。対してトランジスタアンプは比較的正確に音を再現するが、余韻や空気感は部屋任せである。真空管の音はソースにはない、おまけの音が付随していると思うが、それを良しとするか悪しとするかは結局それぞれの好みでしかないと思う。この店の音は良い音だった。我が家の音とは違う種類の音だ。

そして今、この記事を書きながら引き続き悩んでいる。あのSPU-GTE、どうしようかなぁ。

バッテリー電源

ちょっと前にオーディオ関連のコミュニティサイトで大型の携帯用バッテリーをオーディオの電源として使うという記事を目にした。当該製品のスペックを見ると5Vや12VのDC電源だけでなくAC電源も取れる。バッテリー容量から想像するより筐体も小さい。なるほど、最近はバッテリー電池が高性能なので、このくらいのサイズでもかなりのパワーが取り出せるようだ。

オーディオ製品をバッテリー駆動するというのはいかにも音が良さそうである。本筋から言えば電源を改良してDC化するのが正しいのだろうが、とてもそこまで試す度胸はない。と言うことで、車のバッテリーが上がった時の準備も兼ねて(笑)、本来、アウトドア用である携帯バッテリーを買ってみた。

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Suaoki PS5Bという代物。記事で紹介されているものを見てたらそれより安いこっちに目が留まったのである。スペックを見るとAC出力は110V‐60Hz/300W(Pure Sine)とある。おお、110Vで60Hzである。東日本在住で電圧が不安定な家に住む者にとってなんと魅力的なスペックであろうか。

まあ、この価格である。AC出力生成方法については大して期待できない。少なくとも一流オーディオメーカーが販売するクリーン電源とは次元が異なるだろう。とは言え、周波数を変換する点については期待大。

頼んだ次の日に届いた実物は大きすぎず小さすぎずの良いサイズ。そもそもアウトドアに持ち出すことが前提なので、ポータブルである。充電はACアダプター、ソーラーパネル、カーシガレットと3通り選べるが、僕に必要なのはACアダプターのみ。到着した段階で半分くらいは充電されていたので早速接続してみる。

最大出力は300Wとされているが、充電が60~70Wなので充電しながらでも使えることを前提にすると最大50Wくらいで使いたい。となるとプリアンプとフォノイコライザー、それにターンテーブルくらいが用途だろうか。とりあえずプリアンプとターンテーブルを繋いでみる。両方、電源を入れると50Wから60Wくらいの消費量。プリアンプだけなら30W そこそこである。

結果が良ければめっけもんと思って導入したのだが、プリアンプに繋ぐと音を聴く前から思わぬ効果があった。それほど大きな音ではないが常時「ブウーン」とトランスが唸っていたのがもの凄く静かになった。米国製のプリアンプであるが正規品なので100V仕様。そうは言っても115V設計のアンプも多いので、以前、昇圧トランスを入れたこともあったのだが、トランスの唸りに変化はなかった。自称正弦波が良いのか60Hz変換が良いのかわからない。そもそもトランスと周波数に何か関係あるのだろうか?しかし事実は事実である。

そんなことで聴き始めたので正確な判断ができているかどうかあんまり自信ないのだが、我が家のコンセントから電気を引くより音は静かである。百歩譲っても悪くはなっていない。最弱音時に気になるトランスが静かになっただけでも僕にはめっけもんであった。

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プリアンプとターンテーブルを繋いだ時の画像。入力66W、出力47Wなので使いながら充電していることになる。なお、充電しながら使う場合と放電のみの場合で僕には違いがわからなかった。ただ、バッテリーの劣化が恐いので在宅中は充電せずに使っている。

ヤマハ 調音パネル

このブログに遊びにきてくれる七味とうがらしさんの体験談に触発されて、昨年末、ヤマハの調音パネルを借りた。

これである↓
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(ヤマハさんのサイトから写真借りました。)

このパネル、高額商品の多い調音/整音パネルの中では比較的求めやすい価格だし、大きさも手ごろ。普通の部屋に入れるにはちょうどいい感じである。ネットや雑誌記事を見るとすこぶる評判も良い。果たして自分の部屋でも効くのか試してみた。

現物が到着してからヤマハのサイトで設置例を見てみてはたと気付いたのだが、我が家のレイアウトでは残念ながらメーカーが推奨する①左右スピーカーの後方、②スピーカー両側の一次反射面、③リスナー後方のいずれもが推奨の形では設置できない。①はCD棚、レコード棚に邪魔されて設置できず、②は右スピーカーの一次反射面に機材ラックがあるため設置できない。③は後方の壁一面に高さ1mくらいの作り付け収納が設えてあるため、それが邪魔して設置できないのである。

仕方ないので、今回は①両スピーカーの中間後方に一枚設置する、②試聴位置後方の収納の天面に横向きで設置する、③両スピーカーと試聴位置を結ぶ三角形の中間付近の床に横長に寝かせる、という3通りを試してみた。

あくまで我が家のケースだが、それぞれある程度の時間をかけて聴いてみた結果、変化のある順に並べれば①→③→②の順であった。

①は誰が聴いても即座に違いが実感できるくらい変化があって、中央に音が集まり定位が明確になるのだが、どうも効果が過剰に感じられて最後までしっくりこなかった。
②は物理的に耳の位置に最も近い位置にパネルを置くので効果が大きいと予想したが案に反して明確に効果が実感できなかった。加えて収納上部の窓を塞ぐので部屋が暗くなるのも気に入らなかった。
③はヤマハのサイトでは推奨されていないが、あれこれ物の置かれたこの部屋の最大の並行面がフローリングの床であることから思い付きで置いてみた。結果は①のような劇的なものではないが、全体的に無駄な音を整理してすっきりさせるような変化を感じた。その結果音の見通しが良くなり奥行きも増した感がある。一方で低音の量感は減る。

結局、今回、購入するのは見送ったのだが、今まで気にもしなかった床と天井の音の処理に俄然興味が出てきた。

FedEX到着

Royal Mailのおかげでまさかの展開になってしまったわけだが、一昨日からの出張から今日帰宅すると予定通りFedEXが到着していた。空路とは言え、スタンステッド(ヒースローではなかった。)→フランクフルト→シャルル・ド・ゴール→広州→成田とFedEXも思いのほか経由地が多いのだが、それでもスタンステッドから自宅まで通関作業込み2日で到着するのだから大したロジスティクスである。

さて、今回、購入したのはターンテーブル用のゴムベルト、スピンドルオイル、レコードクリーニングマシンの消耗品とスピーカーケーブルである。ショップに連絡すると予想通り、申し訳ないが二回目の荷物を送り返してくれないかという返事があった。当然、送料、通関料、消費税は向こう持ちである。

イギリスから日本に送るのとその逆のパターンではおおむね日本からイギリスに送る方が送料が高い。加えて通関料、消費税を上乗せするとそこそこの金額になる。こちらにとってはこの荷物を国際便で発送するのが手間だし、向こうに取ってみれば往復の送料+αを負担する上在庫を抱えるわけでろくな話ではない。儲かるのは運送業者だけである。

しばらく考えた末に消耗品は追加で購入し、ケーブルをおまけしてもらうことにした。2本目のケーブルを新品のままこっちの中古ショップで買取してもらえば僕にとっては実質的に消耗品の値引きになるし、返送せず追加購入することで向こうに取っては1回分の送料が浮くし在庫も増えない。さっそくメールで提案すると向こうもそれで良いと言うのでさっさと支払いを済ませた。これにて一件落着である。

まだ続くRoyal Mail

先週末、行方不明になった荷物の代わりにショップが再度商品を発送した。さすがに懲りたらしく、今回はFedEX。手続き開始早々、通知が送られてきたし、それ以降、順調にステータスがアップデートされている。土曜日に起票されて日曜日に集荷、月曜日にヒースローに到着して昨日、早々と英国を立った。当たり前だがさすがである。どこかで迷走したり、ましてや元の場所に引き返したりは一切ない。この調子だと木曜日には通関、上手くいけば金曜日には家に届きそうだ。発注してから2か月近く経過してしまったが、ようやく現物を手に入れられそうである。

などと思いつつ、今日、出張を終えてついさっき帰宅したところ、一見して海外から送られたと思しき荷物がテーブルの上に置かれている。おやおや。これは何だろう?大き目の茶色いパッケージの表面には何枚もの送り状が貼られている。これはもしや!

というか、それ以外、心当たりがないし。手に取ってみれば案の定、中央に誇らしげに「Royal Mail」のシールが貼られている。そう、先月末ヒースローに戻ったという情報を最後に行方がつかめなくなった荷物が突然、届いたのである。待ち続けた荷物が届いたうれしさもなく、正直、今となってはいい迷惑である。

12月2日を最後に確認していなかったトラッキングサイトを見ると荷物は4日に忽然と日本に現れたようだ。正しく川崎に到着している。国際郵便の荷受け場所が川崎とは知らなかったが、羽田に着いたということだろうか。とにかくそこで我が国の誇る日本郵便に引き渡されてからはもちろんなんの問題もなく、今日我が家に到達したらしい。

さてさて、どうするか。このままいけば手元に同じ商品が二つ届くことになる。ショップに連絡すれば、きっと二つ目の荷物は返送してほしいと言うだろう。。けっこう面倒くさいなあ。だからと言って黙っているのは信義に反するし。。困ったものだ。

Royal Mail その後

ショップが連絡を取ると言ってからほぼ一週間が経過した。その後、今日まで連絡がなかったので、ショップに状況確認のメールを送るとほどなく返事が来た。

This has obviously gone missing, so would you like a replacemet order shipped or a refund?

うーん。あっさり「無くなっちゃったよ」って言われると逆になんとも言えないなぁ。どのくらいの頻度かはわからないが、何度か似たようなことがあったのだろう。

こっちもなんだか怒る気にもならず、必要なものなので再送してくれと依頼した。またすぐに返事が来て、「送る前にもう一度住所を確認してくれないか」というので目を皿のようにして確認したが、もちろん間違いない。そりゃそうだ。今まで毎回きちんと届いているんだから。

欧米の一流国にして、日本人から見たら実に貧弱な社会システムである。そういうところにコストをかけないから日本に比べてモノが安いのかもしれないが。。

Royal Mail 追記

「金曜日早朝、荷物が20日ぶりにヒースローに戻った」ことをショップに伝えたところ、「Royal Mailにこちらでコンタクトするので、返事があったらすぐ伝える」旨、すぐに返信が返ってきた。ネットでしか付き合いがないのでこのショップがどのくらいのサイズなのか見当もつかないのだが大きなオーディオショップではないのだろう、連絡する相手はいつも同じ人物である。

彼はメールでのやり取りで判断する限り、良心的な人物だし、今まで約束を破ったこともない。そういう彼の性格からして返事があればすぐに追報があるはずだが、この週末には何の連絡もなかった。考えてみればRoyal Mailも週末なのでカスタマーサービスもお休みかも。。

やれやれこれは長引きそうだと思いつつ、さっき再度Royal Mailのサイトで荷物をトラッキングしてみたところ、そこにはこう書かれていた。

Sorry - we don't recognise that reference number.

おいおい、いい加減にしろ。

Amazing Royal Mail

ORBE SEを購入して以来、たびたびUKのオーディオショップで買い物をしている。英国の電圧は230Vなので、電気を使うものの購入には注意が必要だが、電力の要らない輸入品の場合、内外価格差は大きな魅力である。今までにトーンアーム、カートリッジ、スピーカーと買ってきたが、不良品もなければ輸送中の事故もなかった。仕入れ値が安いのでショップを選べばほとんど差額なしで買い取ってくれる。正規品でないと正直に申告しているが、多少買取価格が下がるだけである。電力を使わない機器は故障も少ないのでショップとしても特に問題にならないのだろう。

アメリカや他の国ではなくUKで買うのは最初に買った店がたまたまUKにあったという以上の意味はない。真剣に探せばもっと品揃えが豊富で安い店があるかもしれないが、初回の購入にはそれなりのリスクが伴うのでずっと同じ店である。何度かやり取りしたがここは対応が速く丁寧なので好印象。送料は重量によって異なるが、最も高かったのが今使っているFocus260の送料で、2万円くらいだった。加えて国内で消費税を支払う必要がある。Focusはディスコン後の在庫だったので特に安かったとはいえ、これらすべて込々でも日本の定価の3分の1だった。

こう書くと良いところが多い個人輸入だが、トラブルもある。ORBEは昇圧して使っているのだが、光城製クリーン電源と相性が悪く、併用すると正常な回転速度にならなかった。(結局、クリーン電源は売った。)一度、モーターが突然死しかけたこともある。ACアダプターで使うもの以外、回転物は避けた方が良いかもしれない。

そして今回、ようやくタイトルのRoyal Mailの話である。これまでの買い物では運送はすべてFEDEXだった。一週間くらいで届くのでトラッキングナンバーを使って追跡する必要すらなかった。6回目の買い物になる今回はスピーカーケーブルやORBEのベルト、オイルといった細々としたものを買ったのだが、低額かつ軽量商品だったせいか輸送は初めてRoyal Mail利用になった。

「Royal Mail」というと一見高貴な名前にも見えるが要は郵便局である。日本郵便をヤマトや佐川と比べればイケてないところが多いが、国際的に見たら我が国の郵便局はとてつもなくハイレベルだ。アメリカに住んでいる時、US Postal Serviceを使うのは常に不安だったし、窓口のクオリティの低さは日本人には想像すらできないレベルである。はたして「Royal Mail」はどうなのだろうか。

Royal Mailのサイトで荷物を追跡してみるとショップから商品を集荷したのが11月4日で翌日にはHeathrowに到着している。FEDEXであれば、Heathrowから早ければ翌日には成田に到着するのだが、今回のRoyal Mailの場合、翌日、ようやくHeathrowのDCを出たようだ。まあ、それは許せるとして、行先が「Kawasaki」とある。

川崎?なぜだろうか。日本郵便の国際郵便物通関施設は川崎にあるのだろうか?まさか船便で川崎港を目指しているのだろうか?いろいろ疑問は沸いたがとにかく1日2日は待ってみようと思った。

ところが、その後、待てど暮らせどトラッキング情報がアップデートされない。ひさすら「Kawasaki」を目指して旅したままである。そのうち仕事が忙しくなって荷物のことも忘れかけていたのだが、2週間経っても変化なし。さすがにおかしいと思ってショップに確認したところ、船便ではなく間違いなく航空便で送ったと言う。この季節、郵便物のボリュームが多いので3週間待ってそれでも到着しなければ連絡してほしいということだった。

今日25日は集荷からちょうど3週間目である。帰宅しても荷物が届いていないので、再度、トラッキングしてみたところ、おお、2週間以上ぶりに情報が更新されている。そこにはこう記載されていた。

25/11/16  Arrived at Heathrow Worldwide DC

なるほど~。
20日間に渡って「Kawasaki」を目指した我が荷物は今朝Heathrowに再び到着したらしい。Amazing Royal Mail! 恐るべしである。現在、ショップがRoyal Mailに確認しているのだが、一体、どうなっていることやら。。。

Onkyo D-TK10

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Kiso Acousticsの試聴以来、気になっていたOnkyo D-TK10だが、方々声をかけていたところ、短期間、レンタルできることとなった。展示品だがあまり使われていないらしく、外観はピカピカである。

HB-1を見た時もそう思ったが、実物はとても小さくて可愛らしい。高峰製のエンクロージャーはとても品が良いのに、オンキョーのユニットは見た目がおもちゃみたいで安っぽい(と個人的には思う。)ので損をしている感じ。

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試聴したHB-1にはアコースティックリバイブのRSS501をベースにしたスタンドが付属していて、スピーカーとスタンド天板の間はシリコンみたいな緩衝材を挟んで、がっちりとして鳴かないスタンドとの間を遮断していた。エンクロージャーを積極的に活用するスピーカーなのでそれがスタンドに伝わらないようにという考えだろう。

我が家にはがっちりとしたスタンドも振動吸収系の柔らかい挟みものもないので、小型スピーカー用ベースをウェルフロートの上に置いてその上にスピーカーを置くことにした。振動を抑えずに速やかに逃がしてスピーカーに戻さないという意図である。(目論見どおり機能しているかは定かでないが。。)

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借りられる期間が短いのでとにもかくにも音楽を聴いてみる。聴いたのはHB-1を試聴した時にもショップでかけてもらったオーマンディ/フィラデルフィア管によるショスタコの4番。レコードである。

HB-1でこの曲を聴いた時には目を閉じたらあんな小さいスピーカーが鳴っているとは到底思えないような空間一杯を満たす音に驚いたし、10㎝ウーファーってこんなに低音出るのかと驚嘆したのだが、見た目は似ていてもそこはやはり別物。中心に金色のイコライザーを持つリングトゥイーターが受け持つ高音はピークになると少々耳に痛いし、フルオケの強音時には解像力が足りないのか見通しが悪くなってしまう。10分の1の価格で同じ再生を期待するのはそもそも間違っているのだが、ちょっと残念。

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な~んちゃって。

いかにも違いのわかる男のようなことを書いたが、全部嘘である。本当の感想を書こう。

HB-1がそうであったように、D-TK10も目を閉じて聴いたら、あるいはスピーカーがいくつか並んでいたら、音からその姿形を想像してD-TK10が鳴っていると即答するのは難しい。少なくとも自分にはできないと思う。8畳程度の我が家の空間ではショスタコの4番も軽々と鳴らした。

次に以前、オーディオアクセサリー誌の付録についていたM・Aレコーディングズの宣材CDを聴いてみた。このCDの1曲目と9曲目はバッハの無伴奏チェロ組曲が収録されていて、なかなかの好録音なのである。チェロが胴鳴りしながら何度もかなり低い音を出すのだが、さすがに空気を伴うような重低音は出ないが、立派な再生音だ。ウーファーが小さい分、ボンついたりしないので小気味良い。

巷間、HB-1もD-TK10もアコースティック系はともかく、ロックやフュージョン、特に電気系は苦手と言う。どれどれということでこれも聴いてみる。まずクィーンを聴いて、そのあと、デイブ・リー・ロスやらツェッペリンやらプリンスやらといろいろ聴いてみたが、それほどロックフェチでない僕にはどれもこれも満足いくものだった。あえて言えばベースラインやドラムは少々エッジが丸く、例えばベースがリズムを刻む時の歯切れは満点とは言えないので、そこが気に入らない人はいるかもしれない。ただし、ボーカルは凄く良い。

次にハービー・ハンコックを聴いてみた。向かないとされる電気系で「ヘッド・ハンターズ」を聴くとロックと同じでベースラインの制動が少しだけ緩い。と言っても低音が凄くタイトなスピーカーと比較しての話である。この間聴いたGX100MAの方がタイトだったと思うが、Focus260と比較したら低音全体の量ははるかに抑制的でシャープに聴こえる。

と言うことで、短時間の視聴ではあるが、僕にとってD-TK10は十二分に満足できるスピーカーだと言うことがわかった。HB-1とどこがどう違うのか知りたいところだったが、同時にHB-1と聞き比べてないのでわからなかった。

D-TK10はなぜかフロントバッフルが傾斜していて普通にセッティングするとユニットは少々上を向く。HB-1は普通にバッフルが垂直なのでデザイン上はここが大きく違う。試しにスピーカー後方にJ1プロジェクトのインシュレーターを重ねて挟んでみたら、なんとなくこっちの方が良いような気がする。が、不安定なのでこのまま聴くわけにもいかない。なぜこういうデザインかわからないが、真剣にセッティングを詰めていくとすれば、初めにここをなんとかしたい。

HB-1はアンプを選ぶと思ったが、その点はD-TK10も同じようだ。箱を積極的に鳴らすスピーカーだけに、きっちりユニットを制御できないとただ賑やかで見通しの悪いスピーカーになりかねない。それに見た目小さいこのウーファーは意外と重そうである。良い音で鳴らすためには分不相応な物量投入型アンプか駆動力のあるデジタルアンプと組み合わせる必要がありそうだ。

FOSTEX GX100MA

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このスピーカーを知っている人には今さらながらの話だが、今日、もう販売終了して久しいFOSTEXのGX100MAを自宅に持ち込んで聴くことができた。この写真では大きさが想像しずらいが、ウーファーが10㎝、横幅16㎝なのでかなりコンパクトなスピーカーである。トゥイーターはFOSTEXが誇る純マグネシウム製、ウーファーの振動板はアルミを特徴的なウェーブ型に造形したもの。現行品はウーファーも純マグネシウム製の高級品とユニットは共通でキャビネットが(おそらく)コストダウンされたものに分かれた。

このスピーカー、登場直後からあちこちで評判が良いのはなんとなく知っていたのだが、実際、音を聞くのは初めてのことである。家にあるスピーカースタンドの天板にA4サイズのウェルフロートを挟んで音を出してみたのだが、これまた、たまげるほど音が良い。Kisoは良い、ATCも良い、FOSTEXも良いって、なんでも良いのか!とお叱りを受けそうだが、本当に良いので仕方ない。

音は良いが低域が細い、低音が出ないというのがネット記事を読んでの予想だったのだが、僕の部屋では、というか、僕にはかなり満足のいく低音だった。Dynaudioと比較すると情報量はDynaudioの方が多いが、FOSTEXはウーファーサイズが小さい分、低音も含めて音の収まりが良い。もしかしたら、この部屋に17㎝ウーファーは大きすぎるのかもしれないなぁ。

振動板が金属製だと固有の音が乗りそうな気がするが、聴いててそれは一切感じなかった。弦楽器も艶やかにきれいに鳴る。このスピーカーも音離れが良くて、内振りにしてユニットと正対して聴いてもスピーカーが鳴っているように感じない。中国で製造しているおかげで低価格だが、クオリティは非常に高い。これは「欲しい」と思うスピーカーである。
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