Royal Mail その後

ショップが連絡を取ると言ってからほぼ一週間が経過した。その後、今日まで連絡がなかったので、ショップに状況確認のメールを送るとほどなく返事が来た。

This has obviously gone missing, so would you like a replacemet order shipped or a refund?

うーん。あっさり「無くなっちゃったよ」って言われると逆になんとも言えないなぁ。どのくらいの頻度かはわからないが、何度か似たようなことがあったのだろう。

こっちもなんだか怒る気にもならず、必要なものなので再送してくれと依頼した。またすぐに返事が来て、「送る前にもう一度住所を確認してくれないか」というので目を皿のようにして確認したが、もちろん間違いない。そりゃそうだ。今まで毎回きちんと届いているんだから。

欧米の一流国にして、日本人から見たら実に貧弱な社会システムである。そういうところにコストをかけないから日本に比べてモノが安いのかもしれないが。。

Royal Mail 追記

「金曜日早朝、荷物が20日ぶりにヒースローに戻った」ことをショップに伝えたところ、「Royal Mailにこちらでコンタクトするので、返事があったらすぐ伝える」旨、すぐに返信が返ってきた。ネットでしか付き合いがないのでこのショップがどのくらいのサイズなのか見当もつかないのだが大きなオーディオショップではないのだろう、連絡する相手はいつも同じ人物である。

彼はメールでのやり取りで判断する限り、良心的な人物だし、今まで約束を破ったこともない。そういう彼の性格からして返事があればすぐに追報があるはずだが、この週末には何の連絡もなかった。考えてみればRoyal Mailも週末なのでカスタマーサービスもお休みかも。。

やれやれこれは長引きそうだと思いつつ、さっき再度Royal Mailのサイトで荷物をトラッキングしてみたところ、そこにはこう書かれていた。

Sorry - we don't recognise that reference number.

おいおい、いい加減にしろ。

Amazing Royal Mail

ORBE SEを購入して以来、たびたびUKのオーディオショップで買い物をしている。英国の電圧は230Vなので、電気を使うものの購入には注意が必要だが、電力の要らない輸入品の場合、内外価格差は大きな魅力である。今までにトーンアーム、カートリッジ、スピーカーと買ってきたが、不良品もなければ輸送中の事故もなかった。仕入れ値が安いのでショップを選べばほとんど差額なしで買い取ってくれる。正規品でないと正直に申告しているが、多少買取価格が下がるだけである。電力を使わない機器は故障も少ないのでショップとしても特に問題にならないのだろう。

アメリカや他の国ではなくUKで買うのは最初に買った店がたまたまUKにあったという以上の意味はない。真剣に探せばもっと品揃えが豊富で安い店があるかもしれないが、初回の購入にはそれなりのリスクが伴うのでずっと同じ店である。何度かやり取りしたがここは対応が速く丁寧なので好印象。送料は重量によって異なるが、最も高かったのが今使っているFocus260の送料で、2万円くらいだった。加えて国内で消費税を支払う必要がある。Focusはディスコン後の在庫だったので特に安かったとはいえ、これらすべて込々でも日本の定価の3分の1だった。

こう書くと良いところが多い個人輸入だが、トラブルもある。ORBEは昇圧して使っているのだが、光城製クリーン電源と相性が悪く、併用すると正常な回転速度にならなかった。(結局、クリーン電源は売った。)一度、モーターが突然死しかけたこともある。ACアダプターで使うもの以外、回転物は避けた方が良いかもしれない。

そして今回、ようやくタイトルのRoyal Mailの話である。これまでの買い物では運送はすべてFEDEXだった。一週間くらいで届くのでトラッキングナンバーを使って追跡する必要すらなかった。6回目の買い物になる今回はスピーカーケーブルやORBEのベルト、オイルといった細々としたものを買ったのだが、低額かつ軽量商品だったせいか輸送は初めてRoyal Mail利用になった。

「Royal Mail」というと一見高貴な名前にも見えるが要は郵便局である。日本郵便をヤマトや佐川と比べればイケてないところが多いが、国際的に見たら我が国の郵便局はとてつもなくハイレベルだ。アメリカに住んでいる時、US Postal Serviceを使うのは常に不安だったし、窓口のクオリティの低さは日本人には想像すらできないレベルである。はたして「Royal Mail」はどうなのだろうか。

Royal Mailのサイトで荷物を追跡してみるとショップから商品を集荷したのが11月4日で翌日にはHeathrowに到着している。FEDEXであれば、Heathrowから早ければ翌日には成田に到着するのだが、今回のRoyal Mailの場合、翌日、ようやくHeathrowのDCを出たようだ。まあ、それは許せるとして、行先が「Kawasaki」とある。

川崎?なぜだろうか。日本郵便の国際郵便物通関施設は川崎にあるのだろうか?まさか船便で川崎港を目指しているのだろうか?いろいろ疑問は沸いたがとにかく1日2日は待ってみようと思った。

ところが、その後、待てど暮らせどトラッキング情報がアップデートされない。ひさすら「Kawasaki」を目指して旅したままである。そのうち仕事が忙しくなって荷物のことも忘れかけていたのだが、2週間経っても変化なし。さすがにおかしいと思ってショップに確認したところ、船便ではなく間違いなく航空便で送ったと言う。この季節、郵便物のボリュームが多いので3週間待ってそれでも到着しなければ連絡してほしいということだった。

今日25日は集荷からちょうど3週間目である。帰宅しても荷物が届いていないので、再度、トラッキングしてみたところ、おお、2週間以上ぶりに情報が更新されている。そこにはこう記載されていた。

25/11/16  Arrived at Heathrow Worldwide DC

なるほど~。
20日間に渡って「Kawasaki」を目指した我が荷物は今朝Heathrowに再び到着したらしい。Amazing Royal Mail! 恐るべしである。現在、ショップがRoyal Mailに確認しているのだが、一体、どうなっていることやら。。。

Onkyo D-TK10

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Kiso Acousticsの試聴以来、気になっていたOnkyo D-TK10だが、方々声をかけていたところ、短期間、レンタルできることとなった。展示品だがあまり使われていないらしく、外観はピカピカである。

HB-1を見た時もそう思ったが、実物はとても小さくて可愛らしい。高峰製のエンクロージャーはとても品が良いのに、オンキョーのユニットは見た目がおもちゃみたいで安っぽい(と個人的には思う。)ので損をしている感じ。

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試聴したHB-1にはアコースティックリバイブのRSS501をベースにしたスタンドが付属していて、スピーカーとスタンド天板の間はシリコンみたいな緩衝材を挟んで、がっちりとして鳴かないスタンドとの間を遮断していた。エンクロージャーを積極的に活用するスピーカーなのでそれがスタンドに伝わらないようにという考えだろう。

我が家にはがっちりとしたスタンドも振動吸収系の柔らかい挟みものもないので、小型スピーカー用ベースをウェルフロートの上に置いてその上にスピーカーを置くことにした。振動を抑えずに速やかに逃がしてスピーカーに戻さないという意図である。(目論見どおり機能しているかは定かでないが。。)

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借りられる期間が短いのでとにもかくにも音楽を聴いてみる。聴いたのはHB-1を試聴した時にもショップでかけてもらったオーマンディ/フィラデルフィア管によるショスタコの4番。レコードである。

HB-1でこの曲を聴いた時には目を閉じたらあんな小さいスピーカーが鳴っているとは到底思えないような空間一杯を満たす音に驚いたし、10㎝ウーファーってこんなに低音出るのかと驚嘆したのだが、見た目は似ていてもそこはやはり別物。中心に金色のイコライザーを持つリングトゥイーターが受け持つ高音はピークになると少々耳に痛いし、フルオケの強音時には解像力が足りないのか見通しが悪くなってしまう。10分の1の価格で同じ再生を期待するのはそもそも間違っているのだが、ちょっと残念。

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な~んちゃって。

いかにも違いのわかる男のようなことを書いたが、全部嘘である。本当の感想を書こう。

HB-1がそうであったように、D-TK10も目を閉じて聴いたら、あるいはスピーカーがいくつか並んでいたら、音からその姿形を想像してD-TK10が鳴っていると即答するのは難しい。少なくとも自分にはできないと思う。8畳程度の我が家の空間ではショスタコの4番も軽々と鳴らした。

次に以前、オーディオアクセサリー誌の付録についていたM・Aレコーディングズの宣材CDを聴いてみた。このCDの1曲目と9曲目はバッハの無伴奏チェロ組曲が収録されていて、なかなかの好録音なのである。チェロが胴鳴りしながら何度もかなり低い音を出すのだが、さすがに空気を伴うような重低音は出ないが、立派な再生音だ。ウーファーが小さい分、ボンついたりしないので小気味良い。

巷間、HB-1もD-TK10もアコースティック系はともかく、ロックやフュージョン、特に電気系は苦手と言う。どれどれということでこれも聴いてみる。まずクィーンを聴いて、そのあと、デイブ・リー・ロスやらツェッペリンやらプリンスやらといろいろ聴いてみたが、それほどロックフェチでない僕にはどれもこれも満足いくものだった。あえて言えばベースラインやドラムは少々エッジが丸く、例えばベースがリズムを刻む時の歯切れは満点とは言えないので、そこが気に入らない人はいるかもしれない。ただし、ボーカルは凄く良い。

次にハービー・ハンコックを聴いてみた。向かないとされる電気系で「ヘッド・ハンターズ」を聴くとロックと同じでベースラインの制動が少しだけ緩い。と言っても低音が凄くタイトなスピーカーと比較しての話である。この間聴いたGX100MAの方がタイトだったと思うが、Focus260と比較したら低音全体の量ははるかに抑制的でシャープに聴こえる。

と言うことで、短時間の視聴ではあるが、僕にとってD-TK10は十二分に満足できるスピーカーだと言うことがわかった。HB-1とどこがどう違うのか知りたいところだったが、同時にHB-1と聞き比べてないのでわからなかった。

D-TK10はなぜかフロントバッフルが傾斜していて普通にセッティングするとユニットは少々上を向く。HB-1は普通にバッフルが垂直なのでデザイン上はここが大きく違う。試しにスピーカー後方にJ1プロジェクトのインシュレーターを重ねて挟んでみたら、なんとなくこっちの方が良いような気がする。が、不安定なのでこのまま聴くわけにもいかない。なぜこういうデザインかわからないが、真剣にセッティングを詰めていくとすれば、初めにここをなんとかしたい。

HB-1はアンプを選ぶと思ったが、その点はD-TK10も同じようだ。箱を積極的に鳴らすスピーカーだけに、きっちりユニットを制御できないとただ賑やかで見通しの悪いスピーカーになりかねない。それに見た目小さいこのウーファーは意外と重そうである。良い音で鳴らすためには分不相応な物量投入型アンプか駆動力のあるデジタルアンプと組み合わせる必要がありそうだ。

FOSTEX GX100MA

GX100MA.jpg

このスピーカーを知っている人には今さらながらの話だが、今日、もう販売終了して久しいFOSTEXのGX100MAを自宅に持ち込んで聴くことができた。この写真では大きさが想像しずらいが、ウーファーが10㎝、横幅16㎝なのでかなりコンパクトなスピーカーである。トゥイーターはFOSTEXが誇る純マグネシウム製、ウーファーの振動板はアルミを特徴的なウェーブ型に造形したもの。現行品はウーファーも純マグネシウム製の高級品とユニットは共通でキャビネットが(おそらく)コストダウンされたものに分かれた。

このスピーカー、登場直後からあちこちで評判が良いのはなんとなく知っていたのだが、実際、音を聞くのは初めてのことである。家にあるスピーカースタンドの天板にA4サイズのウェルフロートを挟んで音を出してみたのだが、これまた、たまげるほど音が良い。Kisoは良い、ATCも良い、FOSTEXも良いって、なんでも良いのか!とお叱りを受けそうだが、本当に良いので仕方ない。

音は良いが低域が細い、低音が出ないというのがネット記事を読んでの予想だったのだが、僕の部屋では、というか、僕にはかなり満足のいく低音だった。Dynaudioと比較すると情報量はDynaudioの方が多いが、FOSTEXはウーファーサイズが小さい分、低音も含めて音の収まりが良い。もしかしたら、この部屋に17㎝ウーファーは大きすぎるのかもしれないなぁ。

振動板が金属製だと固有の音が乗りそうな気がするが、聴いててそれは一切感じなかった。弦楽器も艶やかにきれいに鳴る。このスピーカーも音離れが良くて、内振りにしてユニットと正対して聴いてもスピーカーが鳴っているように感じない。中国で製造しているおかげで低価格だが、クオリティは非常に高い。これは「欲しい」と思うスピーカーである。

ATC SCM7

まだOnkyo D-TK10は試聴できていないのだが、先日のショップにぶらっと立ち寄ったところ、ATCのNew SCMラインの中で一番小さいSCM7を聴くことができた。SpendorやHarbeth同様、イギリスのメーカーであるATCは70年代に創設されている。いずれもスタジオモニタースピーカーの製造から始まっているが、今でも実際にプロの現場でモニターとして使われているのはこの中ではATCだけではなかろうか。

ATCはモデルチェンジしても型番を変えないのでややこしいのだが、僕が試聴したのはエンクロージャーがリュート型で黒っぽいパンチングメタルのグリルが付いた現行品である。レコード大賞の話で世間を騒がせているグループと同じく3代目だ。
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13㎝ウーファーに25㎜トゥイーターの2ウェイ。HB-1やD-TK10ほどではないが、横幅17㎝奥行き22㎝なのでとても手ごろなサイズである。重量は7.5kgとサイズの割にずしっと重い。ショップの説明によれば、総重量のほぼ半分がウーファーユニットの重さだと言う。ATCと言うとこれまたアンプ食いなイメージがあるが、強力な磁気回路を持つこのウーファーが難敵なのであろうか。

ショップにはこれより2サイズ大きいSCM19もあって、どちらを試聴しようか迷ったのだが7の方にした。ちなみにATCのスピーカーの場合、数字はキャビネットの容積を示している。その名のとおりSCM19はSCM7の3倍近く大きく、ウーファーのボイスコイルの重さも3倍である。良さそうだが、スタンドに載せた時にFocus 260より投影面積の大きいスピーカーは今のところ興味ない。

さてさっそく、聴かせてもらった。この店の場合、アンプが弩級なのでその点は差っ引いて考える必要がある。(前回のA-1は売れて店になかった。)定価16万円、中古で10万円のスピーカーにプリ・パワー合わせて500万円のアンプを使う人はいないと思うが、仕方がない。

そういう環境での試聴であるが、それにしても、いやはや、ATC良いわ。小さいのに、なんというかとても重みのある音がする。出自がモニタースピーカーなので正確な描写をしつつ、ちょっと暗めでウェットな音がすごい好み。今まで密閉型のスピーカーはどこか詰まった感じの音がすると感じていたのだが、このスピーカーからは感じなかった。スペックを見ると低音が足りなそうだが、聴感上は十分出ている。それも重たい感じの落ち着いた音が出てくるので賑やかにならず上品である。キャビネットを響かせるHB-1とはずいぶん方向の違うスピーカーだが、これはこれで素晴らしい。

プアマンズ HB-1

Kiso AcousticのHB-1を試聴したものの、その価格、周辺機器に対する要求水準の高さ、さらには部屋の問題で購入を見送った、というか、危うく買わずに済んだという記事を書いてから二週間。実を言うとずっと気になっていた。あれがここにあったらどういう音がするのだろうか?A-1は合わなかったが真空管アンプならうっとりするような美音で鳴るのだろうか?

HB-1の魅力は第一にその音の良さにあるのだが、それと並ぶくらい僕にとってはそのサイズが魅力的だった。ESL→Stage→Spendor→Focusと順調にダウンサイズしてきたが、それにつれて部屋の使い勝手が良くなったし、この部屋のエアボリュームにマッチしてきた。16㎝ウーファー2発から10㎝ウーファーになってもそれなりの低音が出ることは試聴で確認済みなので、小さくて悪いことは一つもない。世の中にはサイズ的にHB-1と同じくらい小さいスピーカーが他にもたくさんあるし、僕が知らないだけで、HB-1以上に凄い音がするスピーカーもあるのかもしれないが、実際に見て、聴いた範囲ではHB-1が「所有する喜び」ランクNo.1である。

しかし、である。
やっぱり、、である。

あれに100万円突っ込むか?と言うと答えはNoだ。まずはこの部屋で試聴したいし。でも、あれって自宅試聴できるのだろうか?少なくとも伝手はないし、試聴したうえで買わないと言うのも気が引ける。。

こんなことを二週間、たびたび考えていたのだが、その間に急浮上してきたのがプアマンズHB-1だ。正式名称を Onkyo D-TK10と言う。すいません。こんな呼び方をしたらD-TK10オーナーの皆さんに叱られますね。なんて言っても、こちらが高峰スピーカーのオリジナル、本家本元である。とにかく、D-TK10に今は興味津々。

D-TK10は大メーカーとして商売になる範囲で冒険した(と思う)スピーカー。HB-1はD-TK10に満足できず徹底的に突き詰めたスピーカー。誰が見ても親戚だとわかるくらい似ているが、実際はまったく別物と考えるべきだろう。ネット上、けっこう多くの人が二つのスピーカーを比較しているが、ユニットもネットワークも筐体も違うのだから、同じ音が出るわけがない。

実は僕にとってD-TK10がHB-1にどの程度似ているかははっきり言ってどうでも良い。それより、HB-1以上に小さいサイズ、HB-1ほどとは言わずとも愛でたくなるその容姿、むしろ鳴らしずらそうなスペック等々、興味を引く点多数である。愛情を込めて「プアマンズ」と書いたが、HB-1が例外中の例外なのであって、D-TK10もコンパクトスピーカーとしては全然安くない。でも、HB-1に比べたら10分の1以下の価格である。このスピーカー、まずはどこで聴けるのだろうか。

Kiso HB-1 試聴

Kiso AcousticのHB-1が発売されたのは2009年のことなのでもう7年前になる。ずいぶん前から、この小さくて高価なスピーカーの存在は知っていたがなかなか聴く機会がなかった。以前、何度か買い物をしたことがある中古ショップのサイトを覗いてみると中古でHB-1が並んでいたので連絡して試聴させてもらった。ショップに伺うとすでに準備が整っていて立派なセパレートアンプに繋がれていた。スペックは事前に調べて行ったが、実物は予想を超えて小さい。ショップの試聴室が20畳くらいあって大きいのでなおさらである。

ちょうどレコードを買ったところだったので、とりあえずその中の交響曲をかけてもらった。なるほどサイズからは想像できないようなボリュームで音が出てくる。10㎝口径のウーファーにも関わらず、家のスペンドールよりはるかに低音の量感がある。それに空間描写が良い。これが自宅で再現できたらすごく良い。なにより普通の部屋で聴くうえで、小さいのは良いことだ。

アンプがとても高級なものだったので、ちょうと棚に並んでいたA-1に交換してもらった。交換直後はストレートな音の出方で悪くないと思ったのだが、高音がものすごく耳に付く。さっきまでとまったく違って普通の小さいスピーカーになってしまった。小さいスピーカーが大きい部屋で大きい音を出そうとして無理しているような、そんな感じの音である。もしかしたら聴いているCDの音が悪いのかもと思って再度アンプを交換してもらうとさにあらず。最初と同様に素敵な音である。ううむ、このスピーカー、アンプを激しく選ぶらしい。まあ、考えてみれば中古でもスタンド付きで100万円近いスピーカーである。上流側もそれなりの投資をしないと本領発揮とはいかないのだろう。

ショップの人の話によると、このスピーカーを持っている人は皆それなりに名のあるアンプを組み合わせているようだ。それに自分もそうだったのだが、このスピーカー、試聴しているうちにどんどんボリュームが大きくなるそうだ。そうやって大きめの部屋で大きい音量で鳴らすのがコツのようである。そうなると僕には手が出ないなぁ。オーディオ専用ルームを造ったら買うことにしよう。いつ実現するかわからないが。。

JJ Eloctronics E34L

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JJ Electronics製のKT88からSvetlana製のEL34(Sロゴ)に交換して約1か月。差し替えた直後の印象から変化はなく、どうやらKT88よりEL34の方が好みであることは間違いなさそうである。EL34は1950年代に開発された真空管だが、幸いなことに現在でも複数のメーカーから現行品が発売されている。いわゆるヴィンテージの真空管は高価だし、左右プッシュプルの4本を揃えるのも簡単ではない。新品が購入できるのはありがたいことである。

Svetlana製のEL34は真空管専門ショップから購入したもの。エージング済の選別品だったが、実際にアンプに挿した状態でバイアス電流をチェックしてみると1本だけ5%程度電流値が高い。このくらいであれば音を聴いてもまったく気づかないレベルの違いだが、言うほど揃ってなかったことに少しがっかりしたのが正直なところである。真空管アンプのメーカーが選別して装着したKT88のバイアス電流は4本とも誤差の範囲程度できっちり揃っていたのでなおさらだ。

丁寧な選別を売りにしたショップで買ってもこんなものということがわかったので、次は米アマゾンでJJ Electronics社製のE34Lのクアッドマッチングを購入してみた。EL34とE34Lは見た目も規格も異なるようだが、その差は微妙。調べてみても良く分からない。とにかく互換である。送料込みで4本8,000円くらいなので国内で買うより2割くらい安いだろうか。購入してから到着まで8日だった。

現物を見るとJJ社製の真空管の常で頭がまん丸である。そのせいもあると思うが、Svetlana製と比べて背も横幅も少々大きく感じる。まずは順不同に装着してバイアス電流を測ってみたのだが、4本ともほぼバラつきがない。アマゾンが一本一本検品しているとは思えないのでこの会社のQCはきっとしっかりしているのだろう。4本とも小数点以下の微妙な違いしかないのでそのまま挿していても問題なかったが、一応、きちんと順番に並ぶように左右を1本入れ替えた。

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KT88との比較でEL34は透明感が高くクリーンな音と感じたが、Svetlana製からJJ製に替えるとこの方向が一層徹底される。一般にEL34はKT88に比較して線が細く、低音の迫力はイマイチという評価であるが、これはアンプの性格や組み合わせる他の機器によっていくらでも変化するだろう。僕の部屋ではEL34(E34L)でも低音に十分な量感があるし、透明感が高いせいか音の切れ味が鋭く、迫力も感じる。(このあたりは個人差が大きいので他の人がそう感じるかどうかはわからないが。)他方、Svetlana製のEL34は少し暗めで落ち着いた音色がするのだが、これはこれで悪くない。しばらくの間は数か月単位で交換して使ってみようと思う。

真空管交換

JJエレクトロニクス製のKT88からSvetlana製EL34に交換してまだ2日目、実際に聴いている時間にすると数時間しか経過していないので音の違いを語るには早すぎるだろうが、初期段階の感想を言えば、EL34の方がきめ細やかな感じで好みに合う。ちなみに僕が買ったSvetlanaはSロゴと言ってアメリカの会社がロシアで製造させている物らしい。ロシア語の「S」である「C」がロゴマークのSvetlanaもあるが、手元にあるのはSの方である。

ネットでちょっと調べただけで真空管の世界は深遠であることがわかる。断片的な知識しか持たずにいい加減なことは言わない方が良さそうだ。とりあえず間違いないのは真空管交換による音の変化がケーブルの変更よりはるかに明確だということである。アナログで言えばカートリッジ交換による音の変化もわかりやすいが、EL34は現行品であれば4本で10,000円から30,000円くらいの投資なので、カートリッジ交換よりもかなり安い。ある意味、非常に危険である。真空管の沼にどっぷりとはまる人の気持ちもよくわかるが、まずはしっかりとこの二組の真空管を聴き比べてみようと思う。
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